ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
今や最もポピュラーな連絡ツールの「LINE」だが、なりすましや詐欺、やり取りの煩わしさなど、ネガティブな面もよく話題に上がる。それ故、「使わない主義」を通す人もいる。筆者も最近、友人といとこをLINEに誘ったが、「そのうちね…」と、断られてしまった。
臆する気持ちは分からなくはないが、「食わず嫌い」はもったいない。実はLINEには、友だちや家族とのやり取り以外にも、時事やIT、スポーツ、芸能などのニュースをLINE上でチェックできたり、おトクな情報やクーポンをゲットしたりできる。そればかりかデリバリーを頼めるし、気になるアーティストのチケットを予約できるし、トークで悩み事を相談したり、占い師さんに占ってもらえたり、役立つサービスがいっぱいある。
これらは基本的に、見たい情報や使いたい機能(公式アカウント)を見つけて「友だち追加」するだけ。いつものトーク画面と同じ使い勝手で操作もラクラクだ。
LINEの各種サービスを使うには、機能別の公式アカウントを友だちとして追加する。トーク画面で情報が届くが、会話は基本的にAIが相手。画面は地域の天気の変化を通知してくれる「LINEお天気」の通知設定
そんな便利なLINEの機能やサービスを使わない手はない。昨年追加された新サービスをはじめ、お薦めのサービスの紹介しよう。
専門家に悩み事をトーク上で相談できる「トークCARE 悩み相談」は、LINEで24時間365日、いつでも専門家に悩みを相談できるサービスだ。自身の悩み事はなかなか誰にも言えずに困っているもの。そんなときに“友だち追加”しておけば、好きな専門家を選んで、トークもしくは電話で悩み事を相談できる。1分100円程度。初期登録時は10分の無料チケットが付いてくる。
トークを使って誰にもいえない悩みを専門家に相談できる「トークCARE 悩み相談」は、LINEの新機能の目玉ともいえるサービスだ。まずはジャンルを選び、相談する専門家を選ぶ
「LINEトラベル」は、約250社から集めた最安値で旅行が予約できる。LINEトラベルを“友だち追加”。航空券検索、ホテル検索、ツアー検索の3つの中から選んで条件を入力すると、検索結果が表示される。「予約」ボタンから最安値での予約が可能だ。行き先が決まっていないときは、人気エリアやランキング情報も参考になる。
100円からさまざまな生活シーンをサポートする保険にいつでも簡単に加入できる「LINEほけん」は、なかなか重宝しそうな保険がいっぱい。コンサートやスポーツ、演劇などの、チケット購入から会場入場までスマホだけでOK、という「LINEチケット」も、今後、何かと役立ちそうだ。
「LINEショッピング」には、商品名が分からなくても、写真や画像で商品検索ができる「ショッピングレンズ」機能が新たに追加された。検索窓の右にあるアイコンをタップ、写真を撮るか、既存の写真から選んで、検索結果から商品を購入できる。
LINE上で遊べる「LINE QUICK GAME」は、1人でも友だち同士でも楽しめる。LINE QUICK GAMEを追加、クイズやナンプレ、たまごっちなど、好きなゲームを選ぶ。選んだゲームそのものも友だちとして追加され、トーク画面からすぐに遊べる。
そのほか、資産運用データや日々の支出入状況を一元管理する「LINE家計簿」、AIアシスタント「Clova」搭載のスマートスピーカーのさらなる機能強化など、LINEの発展は止まらない。
ビジネスに使えるものもある。「LINE NEWS」を友だちに追加すると、朝昼夕と速報で最新ニュースが届く。さらに、新聞、週刊誌、専門サイトをフォローすれば、幅広いジャンルのニュースを網羅できる。
「LINE占い」を追加すると、毎日「今日の運勢」が届くほか、さまざまな無料占い、本格的な占い(有料)ができる。詳しく占いたいときは、占い師を選んで会話しながら占える「トーク占い」を使うとよい。
「LINEミュージック」は、幅広いジャンルや楽曲から、お気に入りの曲をストリーミング再生できる定額制の音楽サービス。LINEとの連携で、着うたやBGM、プロフィールなどに好きな音楽を設定できる。スマートスピーカーと連携すれば、声1つですぐに好きな音楽が聴けたりもする。
出前を頼める「LINEデリマ」は、トーク画面からすぐに頼めて手間いらずだ。クーポンが毎日配信される「LINEクーポン」もお得感満載だ。
さまざまな店舗で商品が安くなったり、無料でもらえたりする「LINEクーポン」。これだけでも毎日チェックする価値がある
LINEは音声での電話も可能。友だちには無料、固定・携帯電話にはおトクな料金でかけられる。130万店以上の提携店舗に無料で電話を掛けられる機能も侮れない。
2014年にサービスを開始した「LINE Pay」は、LINEや関連サービス、提携店舗やアプリ内などあらゆる支払いを、LINE上から行えるモバイル送金決済サービス。口座番号を知らない友だちに送金できる機能もユニークだ。最近のキャッシュレス決済ブームで、最もスタンダードなスマホ決済の1つとして普及しつつある。
ほかにも人気マンガがオンライン上で読める「LINEマンガ」、写真をおしゃれに編集・加工する「LINE Camera」、さらに「LINEディズニーツムツム」「LINEポコポコ」といったLINE連携の本格ゲームアプリも広い層に人気だ。
スマホでは通常、ニュースはニュースアプリ、デリバリーは出前アプリ、チケットはチケット予約アプリという具合に、サービスによって違うアプリをインストールして使う。だが、LINEはさまざまな機能が基本的に「LINE」アプリ1本で完結する。アカウントや支払いなどの情報も一元化され、操作も管理もラクだ。
「友だち追加」だけで気軽に使えるのも大きい。いつものトーク画面で情報が届いたり、使いたい機能が使えたりする。有用な情報は、友だちに知らせたりグループでシェアしたり、音楽やゲームをみんなで楽しめたりなど、連携機能が豊富なのも人気のゆえんと思われる。
LINEを使っていくと、機能やサービスが日々追加されるのが分かる。終了するサービスも多数ある。時代の流れに応じた柔軟な姿勢と、ユニークな発想を現実化させるポジティブさを感じる。LINEは今後、ビジネスやファイナンス方面でもさらなる発展をめざすという。メッセンジャーアプリとしてはもちろん、機能満載のプラットフォームアプリとして、LINEを便利に使いこなしてみてはどうだろうか。
執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
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