ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
「iPhone 7」が発売された。9月7日(日本時間で8日)にアップルの発表イベントが行われ、いきなり片手操作で遊べる「スーパーマリオラン」が登場し度肝を抜かれた。さらに次世代「Apple Watch」が、話題のゲーム「ポケモンGO」にGoogleを出し抜く形で対応。どちらも任天堂との絡みで、日本人にとってはうれしい発表となった。
iPhone 7/7 PlusはPlusのデュアルカメラをはじめとした新しいカメラシステムに加え、以前から望まれていた防沫性能と耐水性能が備わった。今までで最長のバッテリー駆動時間、電子決済システム(Suicaに対応したApple Pay)など、うれしい機能追加が多い。しかもラインアップは大容量ストレージとともに、以前よりも求めやすい価格でコストパフォーマンスも上がっている(ちなみに昨年発売のiPhone 6Sの128GBモデルが10万1800円なのに対し、今回発売のiPhone 7の128GBモデルが8万3800円)。詳しくは公式ホームページに詳細が記載されている。
iPhone 7/7 Plusに搭載されている新しいiOS(iOS 10)は、9月14日に配信開始。新しいOSをインストールすることにより、旧機種でも新型iPhoneに近い機能の恩恵を受けられる(対応機種は公式ホームページを参照)。
日本ではiPhone人気は高い。世界のスマートフォンのOSシェアはAndroidがトップで86.2%、iOS 12.9%、Windows 0.6%(2016年第2四半期ガートナー社調べ)。ところが日本ではiOSが66.2%、Androidが33.1%と、世界の情勢とは逆に、iOSが好まれているという統計がある(2016年2月 アウンコンサルティング社調べ)。
日本でのiPhone率の高さは、通信キャリアの端末代補助があり、ほかの国より格安で入手しやすい点が挙げられるが、一方でiPhoneをはじめとするアップル製品のシンプルで美しいデザインや洗練されたインターフェース、人間的な設計思想などが、日本人の感性とよく合うと言う人も多い。
iPhoneが愛されるのは、アップル創設者の1人であるスティーブ・ジョブズの設計思想のゆえんともいわれる。ジョブズは生前、日本の禅に傾倒していたとされ、このことが日本人のアップル好きと通じるところがあるのかもしれない。
iPhoneは登場以来、毎年新しいモデルが発売されるが、秋の発表イベントでその内容と発売日が告知される。イベントから間もないタイミングで発売されるのが恒例だ。発売日には、銀座のアップルストアに早くからたくさんの人が並び、われ先に新しいiPhoneを手にするフィーバーぶりは、ニュースなどでもよく見かける。最近は、オンラインでの予約が可能となり多少落ち着いてきた感はある。
発表イベントの模様をインターネットのストリーミング映像でリアルタイムにチェックする(アメリカ時間の昼間なので日本での視聴は夜中になる)のは、アップル好きやIT好きなら当たり前といっても過言ではない。
熱狂的だと感じるのは、むしろイベントの発表前だ。新しいiPhoneの発表・発売から次の発表イベントまでの1年間、「次のiPhoneはこうなる」「プロトタイプらしきものが見つかった」「作りかけのWebページを見つけた」「部品が発注された」などのうわさやリーク情報で持ち切りになる。
筆者の回りにも熱心な人がたくさんいて、夢見るまなざしでさまざまなリーク情報や予測情報を熱く語る。これらのうわさがどれだけ実現するかも楽しみになっている。彼らは、通信キャリアの「2年縛り」も何のその。毎年新しいモデルに買い替えていて、逆に「何で買わないの?」と真顔で尋ねられてしまう。
iPhoneは使いやすいのも事実だ。アップルの製品を20年来使っている筆者は、コンピューター、音楽プレーヤー、スマートフォンやタブレットなどが、機械なのにどこか人間的で温かみがあり、誰でも説明書なしに直感で操作しやすいと思える。実際、80歳近い母も、iPhoneはそこそこ使えると最近分かって驚いた。
iPhone 7の初期ロットは恐らくすぐに品切れになってしまうだろう。手に入れたいと思うなら、安定して商品が供給され始める頃から後を狙うのもオススメだ。
定価で買うのがキツイという人は、値下げされた前バージョン(今回の場合は6S/6S Plus、SE)を入手して最新OSを入れて使うのもよい。新品の供給が落ち着いてくる時期には、新製品を購入した人が7から7 Plusに、7 Plusを7に買い替えるなどで、オークションや中古ショップに程度のよい新古品が出回ることがある。オークションでの入手を考えるなら、新製品発売直後あたりから前バージョンをウォッチするのもよいだろう。新製品への買い替えで旧製品を売る人が増えるからだ。
新品でも中古品でも、ほかの通信キャリアやMVNOなどでの使用を想定して、SIMロックフリー端末もしくはSIMロックフリー状態での入手がオススメだ。その場合は、アップルストアで販売されるSIMフリーモデルを入手するのがよい。キャリア端末は、SIMロックがかかった状態で販売されるものの、契約後半年で解除手続きを行うことができる。なお、キャリア端末のSIMロック解除は契約者のみの手続きとなるので、中古での入手の場合には注意が必要だ。
今年も発売された新しいiPhone。iPhoneを愛する日本の人々が、新機種でさらに幸せなスマホライフを送れるようになると確信している。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2016年9月)のものです
執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
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