ニューノーマル処方箋(第64回)
ランサムウエアがビジネス化。「RaaS」の脅威
「データの入力規則」という機能を使うと、ドロップダウンリストの中からマッチする項目を選ぶだけで文字列がセルに表示される。入力の手間が大幅に減らせるうえに入力ミスも防げて一石二鳥だ。
今回はドロップダウンリストを階層化する方法を紹介する。例えば、第1階層で営業部を選ぶと第2階層のリストには営業部の課名だけが表示される。さらに課名を選ぶとその課に所属している人の名前だけが表出される、という仕組みだ。
部→課→氏名や都道府県名→市区町村名、大学名→学部→学科など、次々に絞り込んでいきたいシーンは多い。こういったときに効率的に、しかもミスなく、選ぶだけでどんどん表が作成できる。知っていれば非常に便利な活用法だ。
まずは、本来作成したい表の大枠を作成する。そして、ドロップダウンリストの中身も表にするので、その方法を紹介する。
第1階層の「部署名」でリストとして使いたいのは「営業部」「業務部」「開発部」の3つ。そしてさらにその部の下には3ないし4つの課があり、さらにその課の下に数人の課員がいるという想定だ。今回はわかりやすくするためセルに色を付けたが、色は付けなくても問題ない。また、部署名や人物名など各項目の数は例より多くても対応できる。
表の準備ができたら、次はリスト用の表に名前を付ける。今回は、複数の表にまとめて名前を付ける方法を紹介する。この方法で上端のセルに入力されている文字列を名前にするので、ドロップダウンリストに表示する名前と完全一致させておく必要がある。例えば「品質管理課」を「品管」などと略してしまうと階層化リストは作れない。
ここで注意したいのは、名前を付けたのは課の一覧であるということだ。範囲指定した上端は、名前を付けるための値として指定しただけで、表は「営業一課」から「営業企画課」まで。課を選択するドロップダウンリストに「営業部」は含まない。名前の確認方法は次の通り。
表に名前を付けたら、いよいよ「データの入力規則」機能で条件を指定する。ここでの第2、第3階層の指定方法が今回一番の重要ポイントだ。条件指定の際に「INDIRECT」という関数を使用する。第1階層は、通常通りの指定で問題ない。
次は第2、第3階層のリストを作成する。ここがもっとも重要だ。
「INDIRECT」という関数は、指定される文字列への参照を返す。「=INDIRECT(B3)」と入力すると、セルB3の値(例えば営業部)を参照して、それが示す参照($F$3:$F$6)を返すという意味になる。そのため、第1階層に応じた内容のリストが表示できるようになるというわけだ。
では実際にリストがうまくできているか動作を確認してみよう。
ほかの部や課も試してみてほしい。指定した条件通りのドロップダウンリストが選択され表示されるはずだ。
なお、データの入力規則はコピーが可能なので、D3はC3をコピーし、D3から縦方向にドラッグしてコピーするとより簡単に作成できる。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 2段階・3段階のドロップダウンリストを作る のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
執筆=内藤 由美
大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。
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時短エクセル