人手不足の打開策(第10回) 夜間・休日にトラブルが発生!すぐに対応したいがIT担当者がいない

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公開日:2024.10.04

 業務の多くがICTに依存している今、何らかのトラブルでICTが使えなくなったりすれば、即ビジネス機会の損失につながり、長引けば事業継続に支障を来すことになりかねない。特に夜間や休日などICTに詳しい従業員が居ない時にこうしたトラブルに遭遇すると対処方法がないという企業も多いのではないだろうか。こうした事態に備えて何をしておけば良いのだろう。

トラブル発生に備えてやっておくべきこととは

 ICTのトラブルは多種多様だ。例えば、操作が必要なソフトの使い方がわからないといったシンプルなものから、突然インターネットにつながらなくなる、データの送受信ができないといった多くの機器のチェックが必要になるもの、ハードウエア自体が故障するものまである。こうしたトラブルに備えて何をしておけば良いのだろうか。第一歩はICT環境の現状を正確に把握することだ。

 より具体的には、どんなハードウエア、ソフトウエアがあり、どんな状態にあるのか。これらを購買時期、調達先、サポートの内容と期限、問い合わせ先などを調べて一覧表にしておく。ソフトウエアであればバージョン情報を、ハードウエアであれば製品のシリアルナンバーなどを控えておくことも必要になる。こうすることで万が一障害が発生した時に問い合わせがスムーズに行え、迅速に対応できる。

 併せてトラブル発生時に問い合わせる担当者を決めておくことも必要だ。ハードウエア、ソフトウエア、ネットワーク、そしてセキュリティなど、事前に担当を割り当てて勉強してもらうようにしておくのも良い。備えておくことで、他の従業員はトラブル発生時に誰に連絡すれば良いかわかっているので安心できる。トラブル発生時の対応手順も重要なポイントだ。事前に決めておくことで迅速な対応が期待できる。考えられる現象ごとにチェックするポイントを決めて、電源のON/OFFや、再起動、ネットワークからの隔離など当面の対応方法を明記して全員で共有すれば、トラブルが広がることを防ぐことができる。

外部の専門家に任せることで安心して業務に集中できる

 しかし、こうした体制を準備して維持することは決して簡単ではない。バージョンアップやファームウエアのアップデートなどメンテナンスは頻繁に行われ、新たなソフトウエアの導入や利用するICT機器の入れ替えも発生する。障害原因の切り分けもノウハウがなければ難しい。

 何より、従業員への負担が増えるのは経営層にとっては大きな悩みのタネになる。問い合わせ対応に時間を取られることもあるだろうし、夜間対応を余儀なくされることもある。ノウハウが特定の従業員に蓄積されて属人化してしまうことも考えられ、負荷が高まれば担当者の退職リスクにもつながりかねない。複数拠点に展開している場合はさらに複雑だ。支店には担当者を配置できない場合もあり、担当者が現地に赴いてトラブル対応しなければならないケースも出てくる。夜間にトラブルが発生した場合にはお手上げになってしまうこともあるだろう。

 いずれにしてもトラブル対応は人的なリソースが限られ、IT担当者の確保が難しい中小企業にとって大きな負担になる。そこでお勧めなのが外部の専門家に任せ、ICTの運用を丸ごとアウトソーシングをするという発想の転換だ。運用のアウトソーシングでは多くのサービスメニューが用意されている。ICT機器の現状を調査してリスト化するサービスや問い合わせ窓口機能を提供するサービス、さらに障害発生時の切り分けも任せられる。遠隔操作による復旧サービス、修理や機器のリプレースまで手配してくれるサービスもある。

 アウトソーシングを請け負う企業はプロフェッショナル集団なので、迅速で的確な対応が期待できるのも大きな魅力だ。24時間365日体制で対応してくれて、従業員への負担を増やすこともなくなる。何よりもICTのトラブルで業務が止まるリスクを軽減できる。活用を検討してみることをお勧めする。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=高橋 秀典

【MT】

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