ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
インテルのプロセッサー(CPU)がこのところ高騰している。需要が高まっているのに生産が追い付かないのが理由だが、次世代CPUの発売をもくろんでの生産調整が原因という説もある。
CPUは2割以上の値上がり、この傾向はメーカーパソコンの冬モデルに影響するといわれる。ボーナスでパソコンを調達しようと思う人は、少し予算を増やしておいたほうがよいかもしれない。
ただし、メモリーは緩やかに値下がりしている。イマドキのパソコンに欠かせなくなってきたSSDも最近、値下がり傾向だ。大容量のものが入手しやすくなってきた。このようにパソコンおよび周辺機器は値段の変動が多く、スペックの進化も著しい。機種も多様だ。こんな時代に、IT機器はどのように入手すればいいのか、探ってみたい。
世の中の流れが再び、スマホやタブレットなどのモバイルから、パソコンにも向いてきている。パソコン不要説を唱える人もいるが、IT歴の長い筆者は「パソコン必要説」を支持。やはり重たい作業や複雑な作業、クリエーティブな作業などにパソコンは欠かせない。
パソコンとスマホ、つまり据え置きと持ち歩き、この2つの形態をうまく使い分けるのが、IT時代を生きるコツだ。普段の持ち歩き、居間や寝室などでのくつろぎには、スマホおよびスマホOSベースのタブレット。日ごろの情報チェック、家族や友だちとのやり取り、写真を撮り日記をしたため、時にはストリーミング動画や音楽サービス、ゲームに興じる。コンパクトに持ち歩け、すぐ取り出せてやりたいことをするのにスマホは都合がよい。
一方、仕事やクリエーティブな作業、写真やビデオの編集、チラシやポスターのレイアウト、数値の集計や表計算、文書の作成など、じっくり取り組みたいときにはパソコンだ。文字入力はキーボード、ポインティングデバイスはマウスやペンタブ入力が圧倒的にスムーズだ。大画面モニターも見やすいし、複数のソフトやファイルを開いてマルチに作業を進められる。ノートタイプも便利だが、やはり腰をすえて作業に没頭できるデスクトップタイプが選択肢として「あり」だと思っている。
ところで話はちょっとパソコンから離れるが、最近、猫もしゃくしも自動車を所有、というわけでもなくなってきた。自動車には趣味やぜいたく品としての存在価値も依然あるものの、最近は実用重視の傾向が顕著だ。軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッドカーなどエコな車が多い。
これは、実用重視と低迷気味の景気、住宅や生活事情などから、必ずしも車を所有する必要はない、という考えが増えてきたからと思われる。リースやレンタルは会社や商店では以前から当たり前だが、個人でもシェア、リースやレンタルで済ます動きは広まっているという。「半額で乗れる」などとうたう個人向けのカーリースの広告も、テレビCMやチラシなどでよく目にする。
レンタルやリースは、所有してめでる楽しみはなくなる代わりに、車検や保険が不要で手間や費用が抑えられる。盗難や故障の際に補償が利く、車種を替えられる、経費として算出できる、廃棄の費用や手間を考えなくてよい、などのメリットがある。
パソコンも車同様、レンタルやリースを視野に入れて考えるとよい。安価なパソコンも存在するが、価格とスペックは比例関係にあり、目的に応じたレベルの機能搭載のものを備えよう。本体のほか、高速なネット環境、大画面で高解像度のモニター、大容量の外部ストレージ、スキャナー、プリンターなども、作業内容に応じて必要となる。だとすれば、レンタルやリースの利点が光ってくるのではないだろうか。
ネット検索で「パソコン レンタル」「パソコン リース」と検索すると、たくさんのサービスが見つかる。専門業者も多く、個人でも気軽に利用できる。パソコン以外にもモニターや周辺機器、スマホやデジカメなど、ラインアップも豊富だ。自分の情報を入力して機器を選び、決済を行うと、機器が宅配で送られてくる。期間を終えたら返送するだけだ。
基本的にレンタルはリースよりも価格設定が高いが、1台、1日から好きに選べて期間の短縮や延長など、融通が利きやすい。ソフトはセットアップ済み、テクニカルサポートも完備。個人データは消去して返すのは基本だが、残っていたときのデータの処理も行ってくれ、「安心」も費用に含まれる場合が多い。
短い期間のレンタルは、機器を試したい場合や大きなプロジェクトで急に台数が必要なときは間違いなく重宝する。レンタルはリースよりも値段設定が高めなものの、月単位で劇的に安価になる長期プランを備えるサービスも多くなっている。利用価値は高い。
一方、リースは基本的に年単位の契約となり、中途解除が難しい。導入は慎重に行う必要がある。月単位ではレンタルより比較的安価、経理面や税金面でのメリット、契約終了で機器が譲渡される、などの有利な点がある。
レンタルとリース、どちらを利用するにしても、故障や破損、盗難などへの補償、テクニカルサポートやメンテサービスの有無、期間の延長・短縮や機器の取り換え、利用や返却の際の注意など、契約内容をよく確認して検討するとよいだろう。
パソコンは、所有するだけでなくレンタルやリースも視野に入れて考えると、さらに効率よく、しかも便利に利用できる。機器単位でレンタル・リース・所有を使い分ける方法もある。個人も商店も法人も、環境やニーズに合わせて賢く利用していこう。
執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
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