ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
お金を持ち続けられる人になるための「自分資産化計画」
園原新矢 著/クロスメディア・パブリッシング
お金の不安から解放される方法です。資産については、株、FX、不動産などいろいろありますが、むやみに飛び付いて、いきなりお金を投じるのは危険です。その前にやるべきことがあるのです。まずは、考え方や心構えを学ばなくてはなりません。
その上で、お金を持ち続ける能力を身に付けることです。そのための自己投資をするべきです。それこそが、お金の問題を解決し、幸せになる秘訣です。著者は、20年以上さまざまな投資を自ら実践し、さらにお金に不安を抱える人の問題解決をテーマに事業を続けてきた中で、このことを確信したそうです。本書でそれを学びます。
いつの時代もお金の不安を感じる人がいます。だから、耳寄りな投資話もあふれています。しかし、はやりの案件に飛び付いてもうまくいくものではありません。仮に運よくお金を手にできても、かえって不幸になるのでは意味がありません。実際、私の知人にも、FXで大金を得たり、仮想通貨で“億り人”になったりしたのに、すぐに借金まみれになった人もいます。
人生は長いですから、一瞬だけ大金を手にしても意味がありません。大事なのは、いつもお金の心配から自由でいられることです。それが、幸せになる近道です。そのためには、お金を生み出す仕組みをいち早くつくるべきです。本書はこれを「パイプライン」と呼びます。いわゆる不労所得です。
本書にはそれをつくる手順も書いてあります。具体的には「野望を明確にする」「時間とお金の軸から自分がどこにいるのかを確認する」「自分をコントロールする力を身に付ける」というステップです。これに沿ってワークを交えて解説します。むやみに投資を始める前に、絶対に読んでおくべきです。「お金の不安から自由になりたい」と考える人はもちろん、さらには「有意義な人生を生きたい」と考える人にもお薦めしたい一冊です。
「お金持ち」というと「お金を稼ぐ人」をイメージしがちです。しかし、著者は「稼ぐ人」より「お金を持ち続ける人」が、真の「お金持ち」だといいます。不安軽減に不可欠だからです。実際、お金を稼ぐために死に物狂いで働いて時間がなかったり、家族に我慢を強いたりしていたのでは意味がありません。「それならいっそお金なんかいらない」となるかもしれません。
ただ、現実は皮肉なもので、お金のある人のほうが、かえって時間があるものです。反対に、死に物狂いで働き続けている人のほうが、お金が稼げなかったりします。そう聞いて「お金があるから余裕があるのだろう」「お金がなければ、必死に働かざるを得ないだろう」と思いがちです。
私もそう考えていました。でも、実際は順番が逆でした。これに気付いたのは、コンサルタントになってからです。のんびりしている社長ほど稼ぎ、あくせく働く社長ほど貧乏でした。その差は縮まるどころか、むしろ開くばかりでした。理由は簡単で、自力で稼ぐには限界があるからです。稼ぐには仕組みが必要なのです。稼ぐ社長は仕組みがあり、自分が働かなくてもお金が増えていたのです。まさに本書の主張の通りです。
なお、著者はお金の能力の1つに「損益計算書と貸借対照表の読み書き」を上げています。この点に大きく共感します。何事も現状認識からですが、お金の現状認識に財務諸表は不可欠だからです。
次いで、投資の能力を挙げています。この点については、私はまるでセンスがありません。自己コントロール力が弱いのです。だから、信頼できる専門家にお任せしています。こんなふうに自分のお金の能力について点検できました。さらに自己投資やお金持ちのその先に関する考察など、とても納得できるものでした。というわけで、お金の不安を感じる人はもちろん、すでに自分なりのパイプラインをお持ちの人やロジックを確立している人も気付きが得られる本だと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
読書でビジネス力をアップする