ビジネスWi-Fiで会社改造(第49回) テレワークでの通信障害対策を考えよう

Wi-Fi 働き方改革

公開日:2025.12.08

 コロナ禍での在宅勤務の広がりを経て、現在ではテレワーク(リモートワーク)は一般的な働き方になりつつある。取引先からのオンラインミーティングの機会も増え、企業は従業員に対して社内外で利用できる快適なテレワーク環境を整備することが重要になっている。しかし、通信環境に問題があればテレワークは取引先にストレスを与え、トラブルにつながる恐れがある。そのため、通信障害への対策をあらかじめ検討することが大切だ。

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テレワークを妨げる多様な通信トラブルの実態

 例えば、いつものようにテレワーク業務を進めようとしたところ、突然インターネット接続が不安定になった経験はないだろうか。資料の共有やクラウドサービスへのアクセスが遅延したり、オンライン会議では音声に遅れが発生し、映像も乱れがちになったりする......。相手の話も途切れ途切れになり、肝心の部分が聞き取れない。やむを得ず、当日の打ち合わせは中止し、後日直接訪問することにした。こうした経験を持つ人もいるだろう。

 テレワークは、場所を選ばずに働ける便利な勤務形態だ。しかし、通信状況が悪ければ会議だけでなく、ファイルの送受信やデータベースへのアクセス、クラウドサービスの利用などがスムーズに進まなくなる。その結果、ストレスもたまり、業務効率の著しい低下を招く場合がある。こうしたトラブルは、通信環境に起因していることが多い。

 テレワークにおける代表的な通信トラブルは、オンライン会議での音声や映像の遅延や乱れがある。また、大容量ファイルのダウンロードに時間がかかる、接続が不安定になる、クラウドサービスの反応が遅いといったものもある。例えば、自宅にWi-Fi環境がなく、スマートフォンのテザリングで作業する場合には、通信速度が安定せず、こうした問題が発生しやすい。Wi-Fi環境があっても接続できない、というトラブルに見舞われる可能性もある。

 トラブル回避には、信頼できる高品質なデバイスと通信機器、通信回線の準備が不可欠だ。社内では安定した高速通信を実現するビジネスWi-Fiが望ましい。だが、スマホやパソコンに不具合があれば接続の不安定化は避けられず、Wi-Fi環境が整備されていてもWi-Fiルーターの性能劣化も起こり得る。

 さらに、通信回線サービス自体にトラブルが発生する状況もあるため、万が一トラブルに直面した際は、原因を適切に切り分け、効果的な対策を行う必要がある。

通信障害の原因特定と効果的な対策方法

 パソコンやタブレットなどの故障以外で、代表的なトラブルとして挙げられるのはネットワーク障害だ。主な原因には、電波同士の干渉による通信速度の低下がある。例えば、使用しているWi-Fi周波数が電子レンジのような家電製品と同じ2.4GHzの場合に発生しがちだ。これは周波数を5GHzに切り替えれば解決できることが多い。

 また、1つのルーターに多数の機器が同時接続されている場合にも遅延が発生する。多くの従業員が働くオフィスではよくある状況だ。しかし、多数のデバイスを同時接続しても安定した通信速度が確保できるビジネスWi-Fiであればこの点は解決できる。Wi-Fi6対応のビジネスWi-Fi導入をするなどが望ましいだろう。

 マンションに住んでいる場合には、時間帯によっては利用者が多くつながりづらい状況も生じる。普段から通信傾向を把握しておいて、混雑する時間帯を避けるか、モバイルルーターなど別の回線を用意しておく必要がある。また、重要なファイルは事前にダウンロードしておく、オフラインモードでも作業できるよう設定しておくなどの工夫も有効だ。オンライン会議では映像を止めて音声のみの通信に切り替えれば、遅延の影響を抑えられる。

 Wi-Fiルーター自体に接続できない場合には、ルーター内部にエラーが蓄積している可能性があるため、ルーターを再起動すれば問題が解消する場合が多い。それでも接続できない場合は通信障害の可能性もあるので、通信事業者のウェブサイトなどで状況を確認しよう。それでも対処困難なトラブルに備え、オンラインヘルプデスクなどのサポート体制を整えたサービス事業者との契約も有効な手段だ。ビジネスを中断させない良好なテレワーク環境を確保できる。

 通信障害の難しさは、電波という目に見えない対象が相手だという点だ。有線回線であれば物理的な交換で解決できたが、無線のWi-Fi環境が普及した現在では、さまざまな原因を想定しながら解決策を試していくしかない。その時間と労力を抑えるためにも、信頼できるビジネスWi-Fiの導入をお勧めしたい。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=高橋 秀典

【TP】

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