ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
一流の人をつくる 整える習慣
小林弘幸著
KADOKAWA/中経出版
自律神経を整えれば、持てる力を最大限に発揮できます。自律神経のプロフェッショナルが、「コンディショニング」の極意をビジネスパーソンに伝授します。著者は、プロスポーツ選手やアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる、自律神経研究の第一人者です。
本書では、ビジネスパーソンが今日から実践できる「整える」習慣を紹介します。業種や年齢、性別に関係なく実践できるアドバイスばかりです。「力をつけるより、すでに持っている力をもっと発揮できるようにするほうが重要」というのは納得です。いくら力をつけても、肝心なときに発揮できなければ意味がないからです。
「自律神経は一度崩れると3~4時間戻らない」とは、初めて知りました。だとしたら通勤途中にイライラしたりハラハラしたりしただけで、午前中は台無しになります。そんなデリケートな自律神経を保つ工夫を、整理整頓、時間、人間関係、体調、ストレス対処法、メンタルなどの各分野に分けて、それぞれ考え方、意識の変え方、方法論を紹介します。
1つひとつはささいで単純なものばかりなので、誰でも始められます。できそうなものをいくつかを実践し、少しずつ習慣化するだけで成果が出そうです。「自分は本番に弱い」と自覚している方、いざというときに力が発揮できず、いつも苦い思いをしている方はもちろん、日々の生活にストレスを感じている人にもお勧めします。
本書のポイントは「能力を最大限発揮するために、自律神経を正常に保つことを意識せよ」です。そのためのヒントがたくさん書いてあります。
すでに実践していることもありました。例えば、水を飲む、整理整頓を心がける、財布を整理する、現金を小まめに補充する、車のガソリンを小まめに補充する、などです。私がこれらを実践しているのは、イライラしたりハラハラしたりしたくないからです。これが能力を引き出し、パフォーマンスを上げる奥の手だとは意識していませんでした。
一方、まだやっていないこともたくさんありました。寝る前の習慣として紹介されている「失敗を上書きする」「感謝する」「翌日の服を用意しておく」などは、早速やってみたいと思います。人は年齢とともに周囲への影響力が増し、自分のコンディションが職場や家庭など、周囲へ影響しやすくなります。ですから自律神経の調整は、年を重ねるごとに重要性を増すはずです。
本書には「メンタルの問題をメンタルで整えない」という記述が出てきます。確かに怒り、悲しみなどの感情は、心構えや気持ちで止めようと思っても止まらないのが普通です。それを“体を動かして抑える”というのは効果がありそうです。「イライラしたら黙る」「怒られたら階段を昇降する」「緊張を和らげたければ、壁掛け時計を眺める」などです。
私は、日ごろから「生活はできるだけルーティン化したい」と思っています。単調な作業はどんどん自動化、仕組み化したいのです。考えることに集中したいからです。本書で紹介されるテクニックは、そんなルーティン化の助けにもなりそうです。それが自律神経を高め、パフォーマンスを発揮してくれるなら、やらない手はないと思います。日々の生活改善のヒントが詰まっています。ぜひ一読をお勧めします。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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