ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
知的生活の設計
堀正 岳 著
KADOKAWA
「知的生活」のススメです。不確実な世界で人生を有意義なものにするには「知的生活」を送ることです。それが10年後の自分を支えるとして、具体的な方法を教えてくれます。「知的」という言葉が、アカデミックなものを連想させますが、決して難しいことではありません。趣味や読書、映画鑑賞など、気になることをブログなどにまとめ続ける生活を推奨するものです。
継続することで、発想力や洞察力、そして自分にしかできない編集力が身に付きます。これがやがて、生きる力につながります。そんな「知的生活」を始め、続ける上で必要なことが書いてあります。
本書の特徴は、徹底して具体的なことです。冒頭で「知的生活」の定義と意味を解説した後は、徹底して「知的生活」をスタートし、続ける方法を解説していきます。
例えば、テーマの選定から、作業時間の設計、アウトプットの方法や秘訣、振り返りのタイミングと方法など、著者を含めた実践者の実例を交えながら解説していきます。
さらに、書斎の設計や習慣化の方法、お金の話や10年後の人生設計まで解説します。著者がライフハックの人だけに、その過程でさまざまなツールやアプリも紹介します。まさに本書1冊で網羅しています。
構成も工夫されていて、内容が83の戦略として、簡潔に書かれていきます。必要な箇所を興味や必要性に応じて拾い読みもできますので、分厚い本ですが、読書に不慣れな人でも読みやすいと思います。先の見えない時代だからこそ、不安を感じながらも対処法が見つけられず、ボーッと生きてしまいがちです。これを反省し「何か始めてみたい」と考える人にお勧めします。
不透明な未来です。将来のことは誰にも予測できません。でも、さまざまな分野で自動化が進み、中でもAI(人工知能)が台頭することは間違いありません。そんな中、人間の役割は当然変わってくると思われます。これに対して何をすればいいのかは誰にも分かりません。将来求められる人材が、どんなものかが分からないからです。それが私たちを不安にさせるのだと思います。
間違いないことは、旧態依然とした人物像では太刀打ちできないことです。つまり、これまで有効とされてきた勉強やスキルの習得を続けても役に立たない可能性があるということです。
不確定な時代に大事なことは、状況に合わせて臨機応変に柔軟に考え、独自の発想をする力です。本書が提唱する知的生活は、そうした発想力を磨く上で有効な方法だと思います。
もちろん、個性的な発想力は一朝一夕に身に付きません。大事なことは「継続」です。長くやるほど違いは際立ちますし、後から始めた人に追いつかれません。早く始めることが重要です。
私も、ビジネス書の書評を20年近く書いてきました。その過程で、多くの本と出合い影響を受けてきました。それなりに自分のストックになり、自分らしさにもつながっていると思います。継続できた理由は、色々あります。主には、本が好きだったこと、習慣にできたこと、ネタ切れしようのないテーマだったことなどです。少なくとも、根気ではありません。
なお、この生活にゴールはなく、これからも続くと思います。なぜなら、やめる理由がないからです。今のところ苦痛でもないですし、すでに食事や入浴と同レベルの日常になっているからです。きっと、生きている限り、続けると思います。そして、続ける限り、私独自の発想力や洞察力、情報収集と情報整理、発信力を鍛えてくれると思います。
こうした「知的生活」に興味があり、「自分も始めてみたい」と思われるなら、本書はお勧めです。平成も終わることですし、長いスパンで新しいことを始めるには、ぴったりのタイミングだと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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