ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
超一流、二流、三流の休み方
新井直之 著
あさ出版
「休み方」というユニークなテーマの本です。休みをどう過ごすかで仕事の生産性は変わります。その結果、成果が変わります。そう考えると「休み」も立派なビジネススキルといえそうです。
また「どう休むか」は「どう生きるか」を反映します。平日の昼間は仕事をしているため自由度こそ少ないですが、休みの日は過ごし方が個人に委ねられています。多様な分、結果の違いも大きくなります。
休み方次第で、仕事人としてはもちろん、それ以外の自分やその人間関係など、人生そのものを決めてしまう可能性があります。そんな大切な休みを、賢く、有意義に過ごす方法が分かります。
日本人は、勤勉で真面目で優秀といわれていますが、休み方については劣等生といわれます。自分では上手に休んでいるつもりでも、世界標準から見れば下手な休み方である可能性があります。
例えば、疲れたからと昼まで寝ていたり、1日ゴロゴロしていたり、反対に無理して出掛けてヘトヘトになったりする人も多いと思います。これは、下手な休み方かもしれません。
本書では、エリートといわれる人たちや大富豪がどんな休み方をしているのか、その実態と理由などを紹介します。著者はなんとプロの執事です。執事だからこそ、彼らのプライベートの過ごし方も分かるのです。具体的には、大富豪の休み方を「超一流」、仕事ができるエリートたちのそれを「二流」、一般人のそれを「三流」とし、休み方や体調管理の方法を比較検証していきます。
たくさん働くことは、もはや美徳になりません。大事なことはもちろん成果です。そのためには、正しく休みを取り、コンディションを万全に整えることです。そのコツが分かると思います。
「休み」は、本当に大事です。著者の言うように、休み方で仕事の成果はもちろん、人生そのものが変わってきます。これからは、ますますその傾向が強くなります。なぜなら寿命が長くなるからです。「自由に使える時間」を休みと考えれば、定年後はすべて休みといえます。寿命が延びても、退職のタイミングは変わりません。だから、相対的にこれからは休みの時間が長くなるわけです。
加えて、日本では企業の生産性の低さが問題視されています。対処法としては、仕事をAI(人工知能)などに任せるようにならざるを得ません。結果的に、人間はますます自由時間を手にします。
そんなこともあって、今は国や企業が休みの取得を推奨する時代です。その結果、ますます休みが有り余る時代に移行しています。その流れは止まりそうにありません。
思えば、私の提唱してきた「週末起業」も、休み活用法の1つの提言です。もともとは、会社員が限られた時間の中で、会社を辞めずに起業する方便として考えていました。
やむを得ず、休みを活用することを提唱したわけです。当時は「平日もクタクタなのに休みまで働かされるのか」と揶揄(やゆ)されました。しかし、今では休みの有効な過ごし方と捉える向きもあるようです。休みはフリーハンドの時間です。ダラダラしようが、疲れを取ろうが、将来に備えようが自由です。そんな自由な時間の比率が大きくなれば、それをどう過ごすかで豊かさの差が大きくなります。
これからは「休みの達人」こそが「人生の達人」になる時代なのです。いわば「休み格差」の時代です。これが「人生格差」に直結するのが、今という時代なのです。
残りの人生を、ますます豊かなものにするために、誰もが今こそ、休みを真剣に考えるときだと思います。本書は、その手引書として優れた本だと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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