ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
頭と仕事をシンプルにする思考整理50のアイディア
サイモン・タイラー 著/斉藤裕一 訳
CCCメディアハウス
シンプルの勧めです。キャリアと仕事、人間関係など、人生をシンプルにする方法をまとめたハンドブックです。何事もシンプルにすることで問題が解決され、アイデアが生まれやすくなります。
「シンプルにする」ことは、簡単ではありません。ただし、著者も言う通り、どんなときでも、自分の意志で選び取ることができます。本書は、その方法を教えます。
著者は「シンプリスト」として、余裕を持つことをテーマにコーチングや講演を行っている人です。本書でシンプルに関する頭の使い方や手法を学べば、ストレスから解放され、成功も近づくはずです。 デジタルデバイスが普及し、ソーシャルメディアが一般化したことで、仕事も人間関係も複雑になる一方です。本書は、そこに警鐘を鳴らし、解放される方法を教えます。
具体的には、50の方法を「シンプルノート」として紹介しています。なぜか、全文赤字で書かれています。各項目が独立しているので、少しずつ読み進めることができます。
コーチが書いた本らしく、読者に問いかけ、じっくり考えさせる内容になっています。初めから読んで、気になったら立ち止まり、難しければパスしながら、読み進めていけばいいと思います。一読したら、あとは手元に置いて、必要なときに開けば、実践が容易になると思います。実践するうちに、自分の考えが落ち着き、困難に思えた状況にも、余裕で向き合えるようになるはずです。
というわけで、仕事に追われている人、何事も片付かずテンパっている人、毎日ストレスを感じている人、人間関係が複雑になり過ぎている人など、これらをスッキリさせたいと考える人にオススメします。
シンプルは大事です。優れた人ほど、シンプルに生きているものです。なぜなら、シンプルこそが、最も効果的で、効率的な生き方だからです。人だけでありません、物もシンプルにしてみませんか。複雑なものほど価値があるように思われがちですが、例えばアップルも、ユニクロも、ヒットする商品はシンプルさが受けたのです。
理由は、世の中が複雑だからです。情報があふれ、さまざまな価値観が顕在化し、その傾向は強まる一方です。だからこそ「大半のことは、シンプルに済ませたい」と誰もが思っているのです。
私も、常々「できるだけシンプルに生きたい」と考えています。物は極力持たない、余計な作業はしない、人間関係もあまり広げないようにしています。この原稿も、元はといえば「書籍をシンプルにまとめたい」という思いから書いています。文章も、一文を短くするなど、できるだけシンプルに書くことを心がけています。
シンプルにする作業は、物事を簡単にするために行うわけですが、実現する作業は必ずしも簡単ではありません。一般に、物事は「複雑なまま」にしておくほうが簡単です。
シンプルが難しいのは「捨てる」ことを伴うからです。捨てる作業には決断が必要です。迷ったとき、「後で捨てよう」と先延ばししていたら、いつまでも片付きません。つまり、シンプルは実現しません。
もちろん、何でもシンプルにすればいいわけではありません。「これは」ということ、例えば重要な決断などには、とことん時間をかける必要があります。時には複雑さも求められます。そのための時間とエネルギーを確保するには、他のことは、できるだけシンプルに済ませるべきなのです。つまり、シンプルとは「選択と集中」のための技法なのです。
本書を読むことで、シンプルのためのノウハウがたくさん学べます。また自分流のアイデアもいろいろと思いつくはずです。それらを楽しみながら実践すれば、人生は少しずつ改善していくと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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