ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
錯覚の法則
~成功者は脳をあっさりその気にさせる~
西田文郎著
大和書房
脳の特性を利用して、人生をコントロールする方法を教えます。「脳は、錯覚しやすいため、その特性を逆手に取れば、人生を思い通りにできる」と著者はいいます。人は、脳の特性上「肯定的錯覚」をする人と「否定的錯覚」をする人のどちらかに分かれるそうです。「どうせなら、肯定的錯覚をして、成功を引き寄せましょう」というのが本書のメッセージです。
これができれば、いつも前向きで、自信を持てるようになります。すると努力が苦にならず、人生を謳歌(おうか)できます。脳はますます「できる」と勘違いをして、夢が実現に向かいます。本書のメッセージ「前向きになれば、成功できる」というのは、ポジティブシンキングとか、引き寄せの法則など、いわゆる自己啓発書で散々言われてきたことです。
本書は、その根拠と具体的な方法論を紹介している点が画期的です。まず、脳の錯覚とはどのようなものか、科学的な根拠が具体例とともに紹介されます。この手の本を読む誰もが知りたいのは「どうすれば、前向きになれるのか」です。本書は、その点を後半で明らかにしていきます。
具体的には、「言葉」「イメージ」「ボディランゲージ」の3つで脳を操り錯覚させます。本書で紹介するやり方に従えば、誰もが肯定的な成功脳をつくれるようになるはずです。何事もつい否定的に考えてしまう人、いつもはじめる前からうまくいかない気がして、自信をなくしている人は多いと思います。「そんな自分を変えたい」という人に、一読をお勧めします。
「根拠のない自信を持て」。これもこの手の本では、よく言われることです。確かに、根拠のない自信は、人生を好転させる上で、欠かせない要素なのかもしれません。実際、自分の周りを見渡してみても、成功している人は、おおむね自信家です。周囲の人がうっとうしいと感じるくらい、自信に満ちあふれています。もちろん、彼らが自信が持てるのは成功しているからです。ただ、自信があるから成功できるという側面もあるようです。本書を読めば、そのことを改めて確信できます。
起業の世界でも「根拠のない自信を持つ」のは大事です。なぜならうまくいくかどうかは、まず「はじめの一歩を踏み出せるかどうか」が決めるからです。そして一歩を踏み出せるのは、「できる」と考えているからです。動く前にいろいろ考えたら、できない理由ばかり見つかります。すると「止めておこう」という結論に至ってしまいます。
何も考えずに動けば、何かしらヒントが見つかるものです。参考書に出会うかもしれませんし、すでにうまくいっている人に出会うかもしれません。もしかしたら、誰かが助けてくれるかもしれません。そうしているうちに、できる気持ちがますます強化されます。「自信」が「確信」に変わるのです。走りながら考えるメリットは、ここにあると思います。
普通の仕事でも「考えてから動く」派と「まず動き、走りながら考える」派の2つの流派がいるようですが、私は後者を支持します。少なくとも起業に関しては、成功者の大半が後者です。動いてみてうまくいかなければ、そこで初めて考えればいいのです。本当にダメそうならその時点で止める選択肢もありです。すぐに動く人は「止める」という行動も早いものです。
なお、ポイントは自信を継続することです。本書にはその辺りも書いてあります。例えば、朝起きたときは「運がいい」と思う、不快なときは「ありがたい」と思うなどです。参考にしたいと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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