ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方
石原尚幸 著/ 三笠書房
お金の本です。お金のプロが、自らの実体験に基づいて教える、シンプルかつユニークなお金の教育法で、お金の理解力が高まります。それは一生モノの財産になるはずです。誰もが、わが子にはお金の苦労をさせたくないと思うはずです。でも、学校では教えてくれません。そこで親の出番です。とはいえ、教えるのは簡単ではありません。親自身が学んでないからです。
というわけで、まずは親自身が学ぶべきであり、そのための本書です。お金に好かれ、お金を増やし、お金を守るとお金に困らなくなります。そんなシンプルで強力なお金の原理原則を学べます。
子どもにお金の話をするというのは簡単ではありません。以前は、お金の話は卑しいとされる場合があり、親自身も学ぶ機会がほとんどありませんでした。ですから、子どもにもうまく伝えられません。本書は、わが子に伝える口調で語っているため、数字などではなく、容易な表現と身近な例が使われています。とはいえ、子どもだましでなく本格的な内容で、大人も学べる内容です。
例えば、「お金を稼げる人は、世の中にはお金があふれている。それを手にするために、困りごとを見つけて解決しようとする」と語っています。これは本質をついていると思います。また、お金について書かれた本にありがちな節約や投資にとどまらず、ビジネスそのものを学べます。お金の方程式などは、ビジネスの基本そのものです。コンサルタントの真骨頂といえます。
もちろん、子どもに教えるという本来の目的でも、大いに威力を発揮するでしょう。一度にすべてを理解させられなくても、日常会話に織り交ぜて使えそうな小ネタがたくさん詰まっています。わが子がお金の苦労をしないようにアドバイスをしたい人はもちろん、自分自身がお金の本質を学び、お金をもっと増やしていきたいと考える人にもおすすめします。
お金は大事です。でも、その増やし方、守り方を子どもに教えるのは難しいものです。難しい話は子どもには伝わりませんし、間違って伝わって守銭奴のようになられても困ります。そんな理由で、ついお金の話を避けてしまいます。そして「勉強していい学校に入り、いい会社に入れば大丈夫」という、自分が親から言われ、疑問に思い、反発してきた過去と同じことを繰り返してしまいます。
特に、私のようにサラリーマンを辞めた人間は、自分の経験には再現性がないと思ってしまいます。実際、振り返れば綱渡りでしたので、子どもに同じ経験をさせまいと、通り一遍のアドバイスをしがちです。
世の中には、簡単にお金を増やせるなどと怪しいもうけ話が転がっています。そういう話に飛びつかれても困ります。反対に、セコく節約するだけの人間になられても困ります。ただ、お金の原理原則は変わりません。具体的な手法や方法論はさておき、お金を稼ぎ、守る大切さや、方向性くらいは示してやれますし、大事なことだと思います。
本書に関しては、お金を稼ぐ方法がとても参考になりました。これまでに読んだ類書では、増やし方に物足りなさを感じていました。その点、本書は稼ぐ方法から書かれています。例えば黄金の窓の話は面白いと思いましたし、仕事の選定にあたっては、「好きなこと」ではなく「嫌いだが、うまくできること」を選べという意見に賛成です。
実は、私はこれまで起業ネタの選定などに際して「好きなことを選ぼう」と言ってきました。もちろん、それは今も変わりませんが、その難しさも知っています。そもそも「好きなこと」を見つけるのは大変です。だから、最近は「好きなこと」にはこだわらず、今の仕事などを振り返って「できること」に着目するようすすめています。
いずれにしろ、子どもの吸収力は半端ではありません。本書から親がお金の原理原則を学び、それに従って行動するだけでもよいでしょう。子どもは親の背中を見て学ぶはずです。それこそ最高のお金の教育だと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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