ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
仕事は嫌いじゃないけど、人間関係がめんどくさい!
ロミオ・ロドリゲスJr.
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
人間関係の本です。テレビでもよく目にする「メンタリズム」という心理術を使って、上司や先輩、同僚、部下など、職場の人間関係を改善させます。
メンタリズムを使えば、無意識に相手の心を読んだり、コントロールができたりします。手品ではありませんので、100%とはいきませんが、かなりの確率でそれができるようになるそうです。著者は、これを「人間の取扱説明書」としています。学んで使えば、例えば相手が考えていることも、おおよそ当てることができ、コントロールできると言います。その方法が分かります。
仕事は楽しいのに、人間関係がうっとうしい――そういう悩みをよく聞きます。そんな煩わしい職場の人間関係が、メンタリズムで改善するなら学びたいものです。本書にはその方法が具体的なテクニックとして書かれています。
経営者や役員、上司、先輩、同僚、部下など、立場ごとに書かれています。さらに、自慢話、ひがみ、押しつけなど、ケースごとに書かれていますので実践的です。例えば、自慢する上司には、上には上がいると分からせる「再否定の話術」、生意気な部下には、一瞬キレてすぐ笑顔に戻る「シャークケージ効果」という具合に紹介されていきます。
メンタリズムで、嫌な人間を黙らせることができれば、ストレスは解消し、毎日穏やかに過ごせるようになります。仕事に集中できれば成果も上がるはずです。
「仕事は好きなのに人間関係が耐えられない」という人はもちろん、もともと人付き合いが苦手・うまくいかないという人など、職場の人間関係に悩むビジネスパーソンにお勧めします。
職場の人間関係は悩みの種です。実際、退職者の退職理由は、決まって「人間関係」です。苦労して入った会社、やっと見つけた好きな仕事を、嫌な人間のせいで失うのは無念だと思います。
テレビでは、嫌な人間を懲らしめてスカッとする番組がウケています。ドラマでも、嫌な上司が失敗して恥をかいたり、怒られたりするシーンは決まって高視聴率です。実は、みんな悩んでいるのです。かくいう私も、人間関係には悩まされてきました。サラリーマン時代も、経営者になってからも、人の悩みは尽きませんでした。
特に、サラリーマン時代は、若手という弱い立場だったこともあり、大いに悩まされました。相性の悪い上司に意地悪され、理不尽な処遇に泣いたことも、一度や二度ではありません。
そんな人間関係の煩わしさやストレスが、独立の大きな原動力になったことは間違いありません。起業の相談に乗っていても、相談者の多くが、本音では人間関係の悩みを抱え、そこから脱却する方法として起業の道を模索していることを感じます。
職場の人間関係がつらいのは、身動きが取れないからです。大きな組織の中で、一社員にできることは限られています。それでも、生活のために、毎日出掛けなければなりません。しかも、社会人は生活の大半を会社の中で過ごしています。人間関係も、職場の人間関係が中心です。だから、そこがうまくいかないと世の終わりのように感じられてしまいます。
ただ、辞めた人間の立場から言わせてもらえば、過ぎてしまえば、良い思い出です。ひどい目に遭わされた上司たちも、今では懐かしい感情しかありません。渦中にある人は、そうも言っていられないでしょうから、本書が役に立ちます。今そこにある痛みを和らげる上で、役立つテクニックがきっと見つかるはずです。
対症療法にしかならないかも知れません。それでも、目の前のストレスが和らぎ、不要な転職や独立が避けられ、好きな仕事が続けられるなら、学ばない手はないと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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