ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
『人の心は一瞬でつかめる』
ジョン・ネフィンジャー、マシュー・コフート 著、熊谷小百合 訳
あさ出版
心理術の本です。人心掌握の技術を学びます。人の心をつかむことは簡単なことではありません。本書は、それを簡単にする方法を記した画期的な本です。アドバイスは、どれも著者がクライアントをコーチする中で会得した真理から導き出されています。魅力的な人物は「強さ」と「温かさ」を兼ね備えているとし、その磨き方を教えてくれます。
もともと2015年に刊行された『人の心を一瞬でつかむ方法』という本の新装版になります。名だたる心理学のエキスパートに推薦され、長く読まれてきたロングセラーです。
本書は、心理学の研究成果をベースにしながら、人物評価に関する新しい指標を示し、その改善法をシンプルで実用的なアドバイスとして教えてくれる実用書です。成功者がどのように可能性を見つけ、危険を切り抜け、成功を手にしているかがよく分かります。著者はスピーチコーチでもあり、自己アピールの実践的なテクニックは特に充実しています。
読めば、人間心理の面白さが分かるはずです。しかも楽しく読むことができます。スピーチから恋愛に至るまで、あらゆる場面で活用できる魅力的な1冊といえます。人に対する見え方や評価も変わるはずです。そして人の心をつかみ、人を動かす方法が身に付きます。その結果、職場や家庭での人間関係が改善し、人生が変わるはずです。
職場で、影響力を高めたいリーダーやマネジャーはもちろん、プレゼンや営業など人と接する機会の多い仕事に就く人、プライベートを含め、自分の魅力を高めたいと考える人に必読の書といえます。人の心をつかむことは、仕事を円滑に進める上で極めて重要です。組織で働いていても、独立していても、上司や部下、取引先などの心をつかめるかが仕事、ひいては業績や給与に直結していきます。
人の魅力は「生まれつき」とされがちです。いつも誰からでも愛される人がいる一方、煙たがられる人もいます。もちろん、生来の面はありますが、仕事に直結する以上、そうも言っていられません。実は、ちょっとした工夫で人の印象は大きく変わるといいます。例えば「背筋を伸ばす」「口角を上げる」などです。私も、人前で話す仕事を始めた時、少しだけ訓練を受けました。
成功する人は、こうした手法を意識し、常に研究・実践し、改良・改善していくのだと思います。その積み重ねで魅力的な人物になり、人の心を動かせるようになるのだと思います。著者は、人の心を捉える人は「強さ」「温かさ」の2つを兼ね備えた人だと言っています。人の魅力を、2つの切り口に絞った点は斬新だと思います。
反対に、魅力に欠ける人は「堅苦しい人」「おどおどしている人」だといいます。こちらも思い当たるフシがあります。例えば「堅苦しい人」とは人間味が感じられない人です。私自身、そういう指摘をよく受けました。これに対しては「絶えず笑顔でいること」や「話に失敗談やプライベートを盛り込むこと」などで解消できると助言されました。
一方「おどおどしている人」は、自信がない人です。理由は、知識やスキル不足です。こちらは、学んだり、経験を積んだりすることで、実績を上げていくしかありません。このように「強さ」と「温かさ」の両方のバランスが人を引き付けることは、プレゼンなど対面での関係に限った話ではありません。
文章などを介した場合も同じだと思います。では、具体的にどうすればいいのか、本書にはその方法が書いてあります。読んで実践すれば、他人からの評価が改善するだけでなく、自分の内面も磨かれていくと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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