ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
一生稼げる脳の作り方
KADOKAWA/長谷川嘉哉 著
脳を活性化する本です。定年に縛られず「年収500万円以上」稼ぐことで、脳も家計も健全に保つことができるといいます。そのために必要な心と体、そしてお金の作り方を具体的に教えてくれます。
著者は、認知症の専門医でありながら、フィナンシャル・プランナー(FP)の資格を持つ方です。そんなユニークな著者が、独自の視点から、生涯現役を勧めます。「働き続ければ、認知症が予防でき、さらに収入が得られるため、経済的にも安泰で下流老人化が避けられる」といいます。老後の仕事は「一挙両得」なのです。その具体的な方法を教えます。
最初にタイトルを見た時「ポジティブ思考なら、すべてが手に入る」式の自己啓発系の本と思いました。しかし、実際は全然違いました。医師による、医学知識に基づいた科学的な本でした。さらに、FP資格ホルダーだけあり、お金のノウハウも具体的かつ実践的です。本書では「世帯年収500万円」を稼ぐことをめざし、年金の受給額増と長く働く実践的なやり方を紹介します。
そんな、お金と健康の両方を維持するための具体的な方法を細かく教える、極めてまっとうで実践的な本です。まさに一生使える老後のガイダンスです。老後不安から「老後資金」の確保に走る人が多いようですが、むしろ「蓄える」より「働き続ける」ほうが大事というのが著者の主張です。そのための「脳」のメンテナンス法と稼ぎ方が詰まっています。
定年退職を控える「アラフィフ世代」はもちろん、健康とお金の両面で老後に不安を感じているすべてのビジネスパーソンに、一読をお勧めします。当たり前ですが「お金」は大事です。それを手にする上では「健康」も大事です。また「健康」を維持するためにもお金が必要です。まさにこの2つは「車の両輪」なのです。
お金と健康は、年を取るごとにどちらも努力抜きには手に入らなくなります。健康が衰えるのは避けられませんし、定年になることで収入源も失います。「これらを維持するには、働き続けること」というのが著者の主張です。この主張には、共感しかありません。私も、著者と同学年ですが、最近特に強くそう感じます。
とはいえ、問題は「それをどう実現するか」です。現実的に、多くの会社には定年があります。人生100年を想定すれば、その長い期間、働き続けるにはどうしたらいいのかが、大きな課題です。私もまさに模索中です。幸い、私の場合、定年はありません。というより、すでにリタイアしたようなものです。今は会社の経営に関わったり、人前で話したり、本を出したりしています。
こうした仕事は、依頼がなくならない限り続けたいと思っています。でも、相手の依頼が前提です。頼まれなくなれば、終わりです。かといって、仕事欲しさにむちゃをするのは避けたいと思っています。
それ以上に、現役世代の邪魔になりたくありません。もちろん、いつまでも依頼をいただけるように努力することは大事です。しかし、主体的に続けられる仕事を持つことも大事だと思っています。例えば、こうして文章を書き、勉強会をすることです。今後はYouTubeなども考えられます。今は、こうした自分発信型のメディアが発達していますし、これからも次々と登場すると思います。
いずれにしろ、依頼に頼らず、自分が止めない限り続けられる仕事も増やしていきたいと思います。この点は、今お勤めの方にも参考にしていただけると思います。そのとき「自分には無理」とか「いい年をして」というのは禁句です。いつまでも、いろいろなことに、意欲的に次々挑戦することが、生涯現役のために何より大事なことだと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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