ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ノイズに振り回されない情報活用力
鈴木進介 著/明日香出版社
情報整理の本です。無駄に振り回されない力が手に入ります。価値のない情報ノイズを遠ざけて、本当に必要な情報を収集し、成果を上げる方法が分かります。
成果を上げる人は、情報のセンターピンを見極めて行動します。物事をシンプルに把握するから、情報過多の時代でもスピードを維持していけるのです。本書では、それを「情報活用力」として、その鍛え方を教えます。価値ある情報だけを捉えて活用し、成果につなげる方法です。すぐに実践できて、成果につなげられるようになります。
情報は大事です。そのため、情報収集が重要視されてきました。しかし今は情報過多の時代です。意識しなくても、例えばスマートフォンなどを通して、情報のほうから無限に流れ込んでくる時代です。情報をインプットし過ぎると、かえって頭が混乱し、時間を浪費します。加えて、大事な情報が見えづらくなるために精度も悪くなります。大事なのは、量より質なのです。
そう考えると、今必要なのは情報の質を見極め、ふるいにかける力です。本書は、その鍛え方を教えます。必要な情報の効率的で高精度な集め方や、使いこなす方法まで網羅しています。単なる心構えでなくノウハウに落とし込まれていますから、読んで実践すれば情報の本質を見極められ、仕事の成果につながるはずです。
情報収集が苦手で時間がかかる人、必要な情報を見つけられない人、頭の整理が苦手で頭が混乱しがちな人、情報を使いこなせていない人など、情報活用に悩むすべてのビジネスパーソンにお薦めです。
情報は大事ですが、情報ノイズは百害あって一利なしです。仕事の処理時間をかえって長くしたり、ミスを誘発したりするなど、作業効率を大きく落とすことにつながります。これは、空間をイメージすると分かりやすいと思います。「捨てるのがもったいない」と不要なものをため込むと、必要なものを見失い、同じものを買い足すなど、かえって無駄につながります。
私など、オフィスを掃除するたびに同じ文房具がいくつも出てきます。そうならないように「使えるかどうか」でなく「使うかどうか」で判断して、できるだけ捨てるようにしています。データなどは、形がないために不要なデータがたまりがちです。するとパソコンなどが不具合を起こします。それと同じで人間の脳も、ノイズが増えれば必要なものが引き出しにくくなります。
だから、使わないものは捨てるべきです。それ以前に、始めから遮断するべきです。そのためには、価値の有無の見極めが極めて重要なのです。価値の見極めが大事なのは、仕事全般にいえます。できる人を見ていると、仕事の本質を見抜く力にたけていると分かります。成果につながることだけに時間と労力を割いているのです。
「センターピン理論」という言葉を聞いたことがあると思います。これは、折口雅博氏の『アイアンハート』という書籍に出てくる考え方です。ボーリングでストライクを取るには、一番前の真ん中のピンを倒す必要があります。それがセンターピンです。事業でも、そのピンを見極めて確実に倒せるかどうかが成否を決めるのです。
これは、個々の仕事でも同じです。成果につながるセンターピンを正しく見極めて、それ以外の価値のないピンには惑わされず、確実に倒していくことが重要なのです。そう考えると、物事の本質を見抜き、シンプルに捉える力を養いさえすれば、情報活用に限らず、あらゆる分野に応用できます。ですから、本書ではその目を磨くようお勧めしたいのです。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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