ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
谷本有香著
KADOKAWA/中経出版
時間の使い方を学ぶ本です。世界の舞台で活躍するエグゼクティブたちの時間に対する考え方や時間の使い方から、時間を有意義に使う方法を学びます。
ズバ抜けてできる人は、総じて時間の達人です。超多忙だからこそ上手にやりくりして、仕事もプライベートも自己投資にも手を抜きません。そんな彼らに、時間に関する思考や習慣を学びます。
「共通しているのは、絶えず時間を意識していること」。そう著者は言います。わずか数分でさえ意識して使います。だから成功できるのです。そんな前提で、具体的な方法まで解説してくれます。
時間の本といっても、本書は最新のツールを使いこなしたり、特別なテクニックを駆使したりしてきめ細かく時間を管理するといった、よくある時間術の本ではありません。むしろ、時間に対する考え方、スタンス、マインドセットを教えてくれます。そういう意味で「時間術」というより「時間論」と呼んだほうがいいかもしれません。
お手本は、著者が実際に見てきた世界のトップリーダーたちです。彼らの“時間を有意義に使い、時間の利益率を最大限に挙げる方法”を豊富な事例を交えながら紹介してくれます。
一般にこの手の本は、概念論や精神論ばかりになりがちですが、本書は活用法にまで落とし込んでくれています。読めば、時間に対する考え方が変わり、時間を味方にできるようになるはずです。
人生において、恐らく何より大事なのが時間です。人生は時間の積み重ねだからです。そう考えると「時間の浪費は、人生の浪費」ということになります。あだやおろそかにはできません。時間を扱う上で大事なのは考え方。若いうちは、とにかく時間を捻出しようと、色々な時短のテクニックに手を出します。これはこれで役立ちますし、必要なことだと思います。
しかし年を取り、立場が変わると、実は、時間の捻出の必要性は落ちてきます。スケジュールの裁量権が大きくなったり、人を使えるようになったりして、さほど時間に追われなくなるからです。むしろ、時間を「いかに配分するか」が重要になります。
限られた時間を何にどれくらいあてがうのか。仕事、プライベート、自分への投資のバランスを考えなら決め、実行に移すことがとても重要になってくるのです。そのとき問われるのが人生観や価値観です。本書に登場するトップエリートたちの時間に対するスタンス、マインドセット、考え方は、とても参考になるはずです。
なお具体的な時間の使い方で「1日6分読書」のくだりは、私にとって大変参考になりました。なんと、ある研究では、1日6分間読書をするだけで、ストレスの7割が解消できると証明されたそうです。偶然、私も実践していました。入浴中でも本を読んでいます。主に歴史小説です。もちろん、日中も本を読んでいるのですが、こちらは仕事柄ビジネス書になってしまいます。
そこで、趣味の歴史小説は、終業後、湯船につかりながら読んでいます。読めるのは、せいぜい10分程度です。なかなか進まず、物足りなさを感じていました。しかし、これもストレス解消にかなり役立っていると知り、安心しました。やめずに続けていこうと思います。読書時間が捻出できないと感じている人は、ぜひ試してみてください。
いつも「時間に追われている」と感じていたり、「時間の無駄をなくしたい」と思ったりしている人はもちろん、「無為な人生は送りたくない」と考えている人にお勧めです。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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