ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
男性上司の「女性は気がきくね」はなぜ地雷なのか?
齋藤直美著
あさ出版
職場での女性社員との接し方が学べる本です。多くの男性が難しさを感じる「職場の女性との関わり方」について、その原因と彼女たちを理解するポイントが書いてあります。原因は、男性が「女性の特性を理解していないこと」にあると著者は言います。彼女たちの考え方や感じ方を理解して、コミュニケーションを取れば、信頼関係を築くことができます。
筆者の齋藤直美さんは、外食チェーン本部人材育成部署にて約8000人の人材育成を手掛け、その経験を生かして社員研修サービスを提供する会社の設立に参画しました。大学卒業後のフリーター時代に、上司からかけられたあるひと言をきっかけに人生が変わったといいます。
本書では、そんな齋藤さんの経験に基づく、女性特有の考え方を学ぶことができます。また、男性がつい言ってしまいがちな、女性をイラッとさせる「地雷ワード」を紹介し、その言葉にイラッとする理由から、女性の心理を学びます。単に、対応策を列挙しただけの本ではありません。言葉や態度のどこが問題なのか、相手の心情や態度をどう受け取るべきかを学んだ上で、どう対処すべきかを考えます。
もちろん、女性にこびへつらうことをめざすわけではありません。相手を知った上で接することをめざします。これは相手が誰であっても、コミュニケーションの基本です。
「自分は大丈夫」と思っている人も多いかも知れませんが、むしろ、そういう人のほうが、自覚がない分「大丈夫じゃない」気がします。また、本書は女性の部下との関わり方についても言及していますが、女性を知るという観点では職場に限らず、家庭でもプライベートでも役立つ情報が満載です。
そんなわけで、女性の部下がいる人や職場で女性と働く人はもちろん、そうでなくても、女性との接し方に難しさを感じているすべてのビジネスパーソンに一読をお薦めします。男性にとって、職場の女性との接し方は難しいものです。なんと著者の調査では、約8割の男性が職場の女性に苦手意識を感じているそうです。
かくいう私も男性に比べれば、難しさを感じます。最近は、それなりに人生経験も積み、何とか対処しているつもりですが、若い頃は職場でそっぽを向かれたり、泣かれたりして苦労しました。どうやら、今でも、時々地雷を踏んでいるようです。本書を読んで、ドキッとすることがたくさん書いてあり、大いに反省しました。
間違える理由は、男性が、女性の部下を理解するために、自分(男性)の立場に置き換えてしまうからです。世の中の半分が女性ですから、男子校の生徒でもない限り「女性は苦手」では済まされません。例えば、女性の気持ちや考え方を理解できなければ、うまく物を売ることさえできません。
マーケティングの基本は、お客様の気持ちを知るところから始まります。見込み客の半数も取り込めないようでは、仕事上のデメリットは軽微ではありません。
反対に、女性の気持ちが理解できるようになれば、営業成績や売り上げを大きく伸ばすことさえできるようになるかも知れません。なお、本書には、他にもなるほどと思うところがたくさん書いてありました。例えば「女性は、仕事ぶりより、人となりを見る」というのは、その通りだと思います。また、職場の女性を「女の子」と呼ぶことは、女性のやる気を著しく損なう行為と書いてありました。私の知人にそういう人がいるのですが、いつも気になっていました。
いずれにしろ、女性は男性と同じでありません。本書を読めば、そのことがよく分かります。理解した上で対応すれば、女性は素晴らしいパートナーになってくれると思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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