ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
実践版「孫子の兵法」で勝つ仕事術
福田晃市著
明日香出版社
「孫子の兵法」を仕事に生かす方法を学びます。弱小国を連勝に導いた「戦いのメソッド」は、現代の仕事にも生かせます。トラブルに、顧客対応に、ライバル対策や社内政治にも役立ちます。兵法という通り、本来は戦いの教科書です。しかも、大昔に中国で書かれた書物です。それだけを考えると、なぜ現代のビジネスに生かせるのか分からないかもしれません。
ただ、ビジネスはよく戦争にたとえられるように、戦いそのものです。日々の仕事も、戦いに勝つことを目的にしています。戦いの教科書である「孫子の兵法」を使わない手はありません。
しかし、原文は簡単ではありません。時代背景も違います。そこで、本書の登場です。本書は、大きく2部構成になっています。前半は、超約として、孫子の原文の要点をかいつまんで紹介してくれます。「孫子の兵法」を理解する上で、大変助かります。
続いて、後半では具体的な活用法を紹介してくれます。まず、著者が日々の仕事で起こりがちな事態を想定します。その上で「孫子ならどう対処するか」を孫子の言葉とともに解説するというユニークな試みです。
こうした工夫により、我々読み手は、身近な場面における具体的な活用法をイメージしやすくなっています。そのため「孫子の兵法を日々のビジネスに頻繁に活用できるようになるはずです。
ひと言で仕事といっても、業種や職種は多岐にわたります。悩む対象も千差万別と思います。それでも、戦う術を知っていれば、活用の機会は色々あるはずです。であるなら、最高の兵法書に学びたいものです。
この際、ビジネスパーソンなら、誰もが知っている「孫子の兵法」を学んでおきたいと考えている人はもちろん、何か新しい仕事のヒントが欲しいと考えている人にも、お勧めします。
この手の本は、ありがたい本です。なにせ「孫子の兵法」は難解だからです。もちろん、原文に挑戦すれば教養が深まりますが、現役のビジネスパーソンには、そんな暇がないのが現実だと思います。
また、生かすといっても2500年前の、中国で生まれた兵法です。「ビジネスも戦い」とは言っても、それを自分の仕事に生かすことは、それほど簡単なことではありません。目的は、仕事のヒントを得ることです。であれば、まずはこの手の本に頼ってしまうのは悪くないことだと思います。気に入ったら、原文にも挑戦すればいいのです。
それにしても、本書は丁寧です。著者が先回りしてケーススタディーまで用意してくれています。「孫子の兵法」をベースにしながらも、それを意識せずに、ごく普通のビジネス書として読むことができます。もちろん、著者のような応用が、いずれ自分でできるようになることを、目指して欲しいとは思います。そうすれば、学びの機会が格段に増えるからです。
学び上手は、何からでも学びます。ビジネスを、ビジネス書に学ぶことは簡単です。しかし、それでは学びのチャンスが少なすぎます。実際、学び上手は、とんでもないことから、仕事のヒントを得ています。かつて、孫正義さんは、ソフトバンクの事業形態は、生物の細胞分裂からヒントを得たものだとおっしゃっていました。
また、誰もが知っている『80対20の法則』は、リチャードコッチの大ベストセラー自己啓発書ですが、元はイタリアの経済学者パレートが100年以上前に発見した法則です。これを、人生に応用したのです。
反対に、例えば戦略論の本を読んで「自分は戦略策定するような立場にないので、自分には役立たなかった」と感想を漏らす人がいます。もったいないことです。あらゆる分野から学べるようになれば、学びの機会が格段に増えます。だから、成長速度が加速するのです。
何より「どこからでも学んでやる」という、貪欲な姿勢こそが、成長を加速する上で大事なのだと思います。いつも学びのファイティングポーズを崩さず「学び上手」を目指していただきたいと思います。本書は、その手引きにもなりうる本だと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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