読書でビジネス力をアップする(第21回) 「すぐにやる脳」に変わる37の習慣

ビジネス本

公開日:2017.02.02

「すぐにやる脳」に変わる37の習慣
篠原菊紀著
KADOKAWA

 自分で自分のモチベーションを高める方法を教えてくれる本です。「面倒臭い」という気持ちがなくなり、結果に結び付きます。そんな「すぐにやる脳」をつくる極意です。

 無理なくモチベーションを上げる方法が、色々紹介されています。いずれも、簡単で、誰にでもできることばかりです。仕事や勉強にきっと役立つはずです。

 著者は、大学教授で、学生相談室長を務める方です。そんな著者が、脳科学と臨床心理学の理論をベースに、具体的かつ実践的な手法をアドバイスしてくれます。

 「やらなきゃいけないのに始められない」そう思うことは少なくないはずです。ところが、中にはさっさと始め、ドンドン成果を上げる人もいます。そういう人を見ると、自己嫌悪に陥ります。しかし、本来は、すぐに始められないのが普通なのです。始められる人は、始めるコツを心得ているのです。本書は、そのコツをいくつも教えてくれます。

 具体的には「ちょっとだけ始める」「報酬と罰を組み合わせる」「行き詰まったらすぐに寝る」などです。いずれも、誰にでも簡単にできる方法です。

 勉強、仕事はもちろん、運動や遊びなどなど、日常のさまざまな場面で、脳をやる気にさせる方法が分かります。結果的にパフォーマンスが上がります。

 「やらなきゃ」と思いながら、いつもやる気が出ない、だから結果も付いてこない――そんな風に悩む、すべてのビジネスパーソンに一読をお勧めします。

 「やらなきゃいけないのに面倒臭い」ことは誰にでもあると思います。夏休みの宿題に始まって、仕事の締め切りも「やらなきゃいけない」と分かっていながら、なかなか始める気が起きないものです。

 結局、着手はいつも締め切り直前、最後は時間に追われ「やっつけ」で片付けることになる。そんな状態だから、仕上がりのクオリティーも低く、後悔してしまう――。そんなパターンの繰り返しに、いつも自分を責めてしまいます。しかし、それは脳の仕組みのせいなのです。もともと、脳はそういう風にできているのです。

 私も、同じです。それを経験の中で培ってきたやり方で補ってきました。本書で紹介された方法の中にも、いくつかすでに実践し、効果を上げているものがありました。

 例えば、小さなことから始める方法です。「原稿を書く」などは、「面倒臭い」の典型で、締め切り間近まで着手が遅れます。「まとまった時間に」などと思っていると、一向に始められません。だから、すぐにパソコンだけ開き、3行だけ書くことにしています。すると、そのまま筆が乗り、気が付けば、最後まで書き上がってしまうことさえあるのです。

 「じっくり考えてから動こう」というときは、はたから見れば、そう言いながら「単に、動かない言い訳をしているだけ」ということが少なくありません。

 だから、とにかく動くという姿勢が効果的です。考えることは、動いてからでもできます。むしろ動いてからのほうが、より具体的に考えることができます。

 他にも、本書にある方法で「自分にご褒美」とか「集中する場所を作る」「ルーティンを使う」などは、私自身が実践し、効果を上げてきた方法です。

 そんな経験則で編み出してきた方法のいくつかが、本書で脳科学的に裏付けてもらえました。これからは、自信を持って続けることができますし、人にも勧められます。

執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)

ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。

【T】

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