読書でビジネス力をアップする(第20回) なぜか好かれる人の「わからせる」技術

ビジネス本

公開日:2017.01.05

なぜか好かれる人の「わからせる」技術(Kindle版)
馬場啓介著
サンマーク出版

 自己アピールの本です。職場などで、周囲に自分の強みや魅力を、さりげなくアピールする方法を教えます。「頑張っているのに認めてもらえない」と感じている人は必読です。

 「こんなに頑張ったのだから、分かってもらえるだろう」では、伝わりません。「見ている人は見ている」は幻想です。やるべきことは、さらに頑張ることでなく、その頑張りを伝える努力なのです。そのためには、人間関係の構築も大事ですし、自分を変える必要もあります。何をするべきかを教えるのが本書です。これまでの「売り込み」と異なる、全く新しい自己アピールの方法が学べます。

 職場では、自分からアピールしなければ評価されません。しかし、自分を自分で売り込むことには、腰が引ける人が多いと思います。特に、日本人には苦手な人が多いようです。理由は、そもそも日本社会が、慎み深い文化だからです。そのような文化の中で、自分だけが露骨に自己アピールすれば、むしろ逆効果です。

 理想的には、相手が自分の頑張りに自然に気付き、知らぬ間に評価してくれるようになることです。これを可能にするには、自分から色々と仕掛ける必要があります。その具体的なやり方を教えるのが本書です。

 構成としては、まず正しいアピールの仕方を紹介し、それを身に付けるための習慣を紹介、さらに実践する際の注意点や心構えなどを教えてくれます。「頑張っているのに認めてもらえない」「成果が評価されていない」など、不満を感じる方はもちろん、周りから誤解されがちな人や、「もっと評価されてもいいはずだ」と思っている人にお勧めです。

 「能ある鷹は爪を隠す」ということわざがあることからも分かる通り、日本人は、自分を主張することに抵抗を感じます。むしろ「見せないのが美徳」とさえ思う節もあります。

 でも、実際は誰もが「分かってほしい」と思っています。特に、職場では、伝わらなければ評価されません。だから、遠慮なんかしていられません。

 私もサラリーマン時代には、評価を切望していました。しかし「評価される側」から「評価する側」になって感じたことは、部下の考える評価ポイントは、結構ズレているということです。

 例えば、上司は成果しか見ていないのに、部下のほうは、上司に対する「忠誠心」や「勤勉さ」ばかりを重視してアピールすることは、よくあることです。自分をアピールしたいなら、まずそのズレを修正するところから始めるべきです。

 その上で、伝え方が大事です。これも上司になって分かったことですが、上司は部下のことを見ていません。それ以上に、思いたいように思っています。偏見と思い込みが大きいのです。部下にとって上司は1人ですが、上司には何人もの部下がいます。結果的に、きめ細かく見ようにも、難しいのが現実です。だから、便宜上、先入観でレッテルを貼ってしまいがちなのです。

 仮に「できないやつ」というレッテルを貼られたら、変えるのは至難の業です。そうならないように、日ごろから伝える努力を怠らないことが大事です。いわば自分をプレゼンするスキルです。この努力は、独立した人間なら血眼になってやっていることです。周囲からどう思われるかが死活問題だからです。会社勤めでも、デキる営業担当者や評価されている人は間違いなくやっています。

 このように、自分プレゼンのスキルは、ビジネスの世界では、結構重要なスキルです。本書などを参考に、一度真剣にやり方を研究してみることをお勧めします。

執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)

ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。

【T】

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