ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術
山本憲明 著
フォレスト出版
仕事術の本です。仕事、環境、行動を徹底的に見直すことで、労働時間を大幅に減らすことができます。その具体的な方法を教えてくれます。著者自身、本書の方法で1日の労働時間を8割減らすことに成功したそうです。それに従って、収入は減るどころか、むしろ増えたそうです。そんな著者が実践したダンドリ術を公開します。
本書の内容を実践すれば、ムダな仕事をすることがなくなります。そして、重要な仕事を効率的に進められるようになります。その結果、成長することができ、人生が充実していきます。
多くの人が「やらなければいけない仕事」に日々追われています。もちろん、効率的に進めようとさまざまな工夫をしているはずですが、結局、時間不足に陥ってしまいます。
これを回避するために「優先順位をつけろ」と言われます。しかし、順位づけは簡単ではありません。しかも、優先順位が低い仕事も、いずれやるために、トータルの労働時間は減らせません。大事なことは「優先順位づけ」でなく「やらないこと」を決めて、やらないことです。本当に必要なことだけやるようにすれば、仕事時間は大幅に減らせます。その勘所が学べます。
構成は、1部と2部に分かれています。前半でムダな8割を徹底的になくす方法を解説します。後半では、残った2割の時間で仕事の質を高め、自分を成長させる方法が学べます。
世の中は、ますます複雑になり、仕事はどんどん増える傾向にあります。そんな中、ビジネスパーソンは仕事に追われ続けています。そんな日々から脱却したい方にお勧めします。
著者のように8割も仕事時間が減らせたら夢のようです。そのためには、小手先のテクニックでは不可能です。キーボードを早く打つとか、睡眠時間を減らすなどの方法では、限界があるからです。
決め手は、既成概念を捨てることです。例えば、著者の言うように、見栄(みえ)やプライド、こだわりや忖度(そんたく)を捨てることです。「人と同じでないと不安」というのは「百害あって一利なし」と説きます。大事なことは同調圧力からの脱却です。本書は、その覚悟を問います。しかし、組織にあって、同調圧力に打ち勝つことは容易ではありません。私もサラリーマンだったのでよく分かります。
人と違う動きをすると、まず上司や先輩から、嫌みを言われます。気にせず繰り返していると、やがて「和を乱す危険分子」として扱われるようになります。
私の職場では、例えばランチ1つ取っても、部署のメンバー全員で、一斉に行くのが当たり前でした。それがムダだと思い、ランチの時間に外出すれば「あからさまに避けている」と言われました。
最初は、仕事で成果を上げていれば文句もないだろうと高をくくっていました。しかし、和を乱す人間は、仕事で成果を上げることも困難です。なぜなら、仕事は職場のチームプレーだからです。ただ、それを「そういうものだ」と割り切って、受け入れてしまえば、何でもなくなります。やがて飲み会などにも呼ばれなくなりますので、かえって楽になります。
以上は、私の若い頃の話であり、昭和の面影を残す平成初期の昔話です。令和の時代は、そこまでではないと思います。でも、本質的なことは変わっておらず、似たようなことは残っているはずです。大事なことは、同調圧力に屈することなく、周囲から貼られるレッテルを受け入れる覚悟です。それができれば、職場で居心地は悪くなりますが、時間は大きく節約できます。
浮いた時間を、読書や運動、休息などに充てることができれば、幸せになれます。そんな自由を取るか「周囲と同じでいること」を選ぶか、どちらを選択するかは本人のちょっとした覚悟だと思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
【T】
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