読書でビジネス力をアップする(第8回) あなたの実力を全開にするレッスン

ビジネス本

公開日:2015.12.01

ダントツになりたいなら、たったひとつの確実な技術を教えよう
〈あなたの実力を全開にするレッスン〉

エリック・ベルトランド・ラーセン著
飛鳥新社

 自分の心に向き合う方法を教える本です。自分の心をコントロールして、「ここぞ」というときに、最高のパフォーマンスを上げる方法が分かります。本書を読めば、自分に対する考え方が大きく変わります。自分の可能性を確信でき、その結果、日々の過ごし方が変わっていきます。目標に向かって頑張れるようになるのです。

 著者は、金メダリストや、トップクラスの経営者たちを顧客にするメンタルコーチです。彼らの力を引き出す、いわば「ダントツの人」を育てるスペシャリスト。本書は、そんな著者の超一流メンタルセッションを受けているのと同じ効果が得られるはずです。そして、自分の強みを発見し増強できるでしょう。

 この手の本は米国発が多いのですが、本書はノルウェーのベストセラーです。序文には「人口を考えれば、日本の300万部に相当するインパクト」と解説されています。一般に、このようなテーマを扱うとき、多くは著者の個人的な体験談か、ひたすらポジティブ思考を勧めるか、あとはスピリチュアルなものが多い傾向にあります。しかし、本書は具体的で実践的な方法を教えてくれます。

 例えば「よい目標と悪い目標の見分け方」「緊張を武器に変える方法」「自分が最適のパフォーマンスを発揮できる心のモードのとらえ方」などです。「何かを成し遂げたい」と頑張っている人や、「これから頑張りたい」と思っている人はもちろん、「自分はこの程度……」と諦めてしまっている人にも一読をお勧めします。

 「私たちは、自分が思っているよりもはるかに上に行ける」「誰もが、抜群の成果を上げるダントツの人になれる」――本当にその通りだと思います。そのためにはまず、自分の可能性を確信することです。しかし、いくら自信を持とうと思っても、すぐに持てるものでもありません。

 理由は、世の中がネガティブ評価のオンパレードだからです。私たちは子どもの頃から今に至るまで、いつも人と比較され評価されてきました。そのため評価とは無関係な場面でも、周囲の言葉の端々に、自分に対するネガティブな評価を感じ取ります。そして自分で自分を評価します。結果、「自分は、しょせんこんなもの」と思い込んでいます。

 本書は「どうすれば自分に自信が持てるのか」に始まり、正しい目標を設定し、正しい決断をする方法など“ダントツな人”になるには何をすればいいのかを、手順を踏んで教えてくれます。単なるポジティブ思考の勧めではありませんし「ありのまま」の自分を肯定する勧めでもありません。成功を確信したら、そこに向けてモーレツに努力する必要性を説いています。

 人は、日々成長するために生きています。「ありのまま」でいいのではありません。より良い自分を目指して頑張って、成長を実感できるからこそ楽しいのです。それを幸せというのだと思います。もちろん、今の自分を肯定することは大事です。しかしそれは、「自分にはできる」という確信を得るために必要なのであって、その後はさらに良くなるように前に進むべきなのです。

 とはいえ努力はつらいものです。本書には、そのあたりもカバーしています。どうすれば、毎日頑張れるのか。その方法についても、具体的に解説してくれます。このように自分の能力を最大限に引き出し、やがてダントツの成果を上げる人になる方法を、理論からテクニックに至るまで一通り網羅しています。極めて実践的な本だといえるでしょう。

執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)

ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。

【T】

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