読書でビジネス力をアップする(第41回) 中身を正確に伝えるために戦略的に“外見”を見直す

ビジネス本

公開日:2018.10.04

未来を変える「外見戦略」
川園 樹著
KADOKAWA

 自分の「外見」を考える本です。人生を決めるのは「外見」すなわち「見え方」です。能力には違いがなくても、見え方で印象は変わり、結果も変わってきます。だから理想の自分を演出します。もちろん、美男美女である必要ありません。ファッションに必要以上にお金をかける必要もありません。まして、人の目を欺く必要もありません。

 少しだけ見せ方を工夫するだけで、相手の印象を変えます。それが、自分の考え方さえも変えてしまいます。そのメカニズムと方法を、国際イメージコンサルタントの著者が教えてくれます。

 著者は、政治家から海外の要人、上場企業経営者、芸能人、スポーツ選手、起業家など、3000人以上の方たちの外見を変えてきたそうです。そんな著者が「理想の自分」になる最新メソッドを紹介します。本書を手に取る前は、いわゆるファッション誌で紹介されるような内容かと思いました。服の選び方や色遣いの工夫、小物の使い方などです。あとは、せいぜい表情や立ち居振る舞いを列挙したものと想像していました。

 実際は、全然違いました。「戦略」と銘打つだけあって、総合的な内容でした。「外見戦略」の内容と大切さを、さまざまな学術的根拠に基づいて解説、それを可能にする具体的な方法を紹介します。

 網羅するのは、顔の印象づくりから、髪型、メガネ、ひげの活用法、服装、小物の選び方、コンプレックスを克服する方法、ボディーランゲージや言葉遣いに至るまで、多岐にわたります。

 というわけで、見た目に悩む人、見た目を大事にしたい人、組織のトップなど人前に立つ機会が多い人はもちろん、もっと活躍したい、成功したいと考えるすべてのビジネスパーソンにオススメします。

内面から鍛える、外見から整えるの違いとは?

 時々、見た目で損をしている残念な人がいます。反対に、中身を過大評価してしまうほど、外見で得をしている人もいます。本人が、その評価に合わせようと努力すれば、中身も後から付いてきます。だから「内面」を変えるために、まず「外見」から入るというのは、方法論としてはあり得ます。

 私自身、かつては「外見より中身だ」と考え、見た目には全くこだわりませんでした。今思えば、ずいぶんと損をしていたと思います。見た目の効果を強く意識したのは、会社を辞めてからです。講師やコンサルタントの仕事は、自分が商品です。もちろん、大事なのは中身ですが、中身を一瞬で伝えることは不可能です。

 だから、できるだけ中身が正しく伝わるような外見をします。そう考えると、我々のような仕事にとって、外見は、いわば包装紙やパッケージのようなものなのです。

 「外見が大事」というと「カッコよく見せよう」と思いがちです。でも、格好良ければいいわけでもありません。それどころから、自分の考える格好良さが、独りよがりでズレていると悲惨です。

 会社を辞めると、自由を謳歌したくなるのか、無駄に華美になる人がいます。目立ってナンボと、変テコなメガネや奇天烈なスーツ、似合っていないひげを生やす人もいます。

 周りに注意する人もいなくなりますので、際限がありません。本当は見た目が大事なフリーランスの人に、あきれるほどダサい人がいるのはそのためです。もちろん個人の自由ですが、仕事上は損です。大事なことは、伝わりにくい自分の能力なり、人間性なりを、できるだけ正しく相手に伝えることです。自分が伝えたいように、相手に伝える工夫こそが必要なのです。

 そんな風に「外見」の大事さを改めて認識できる本です。まずは、本書の内容を使って、自分の外見を1つひとつ再チェックしてみてください。

 

執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)

ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。

【T】

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