疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第77回) 腸内を整えて、冬も太りにくい体をつくろう

ヘルスケア

公開日:2021.11.12

 食物の消化・吸収、排せつの働きだけでなく、免疫の獲得やエネルギー代謝にも深く関わる「腸」。この働きを整えれば、心身のパフォーマンスを高めるとともに、太りにくい体づくりにも役立ちます。今回は、腸の働きを助ける食事とレシピを専門家に伺いました。腸内環境を整える食習慣で、冬場の健康維持に備えましょう。

発酵性食物繊維の継続的な摂取で腸内環境を整える

 腸内環境には、善玉菌や悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌が群生していると聞いたことがある人も多いと思います。腸内環境を整えるには善玉菌を活性化させることが肝要です。この群生している腸内細菌を花畑になぞらえて「腸内フローラ」といいます。腸内細菌の研究を行う薬学博士の國澤純先生は、「この腸という土壌を整えて善玉菌の群生を促進し、花を咲かせる(善玉菌が優位な環境にする)ことで、ダイエットを助けてくれる環境が整います」と語ります。

 善玉菌の群生を促進する有効な手段を國澤先生にお聞きすると、「発酵性食物繊維」の継続的な摂取を薦められました。善玉菌は、発酵性食物繊維を材料にして「短鎖脂肪酸」という成分を作り出します。この短鎖脂肪酸が腸のエネルギーとなり、活動を活性化するとともに脂肪細胞に働きかけ、脂肪の蓄積を抑える働きや、体のエネルギー代謝を高めて肥満を防ぐ働きを担います

 つまり、発酵性食物繊維は、善玉菌が花を咲かせて短鎖脂肪酸という種をつくるための水や養分のようなもの。毎日、水や養分をあげることで、善玉菌がすくすく育ち、健康維持やダイエットをサポートする環境が整うと國澤先生は言います。
※ Peter J. Turnbaugh, et al. Nature. 444:1027-1031(21 December 2006)

発酵性食物繊維の働きを生かす取り入れ方

 発酵性食物繊維とは腸内で発酵しやすい食物繊維のことで、オートミールや玄米、もち麦、小麦ブランシリアルなどの穀類に多く含まれます。例えば1日1食、主食を食物繊維が豊富なこれらの食品に置き換える習慣をつくれば、短鎖脂肪酸の持続的な働きが期待できるそうです。

 エネルギーに転換されない糖質は脂肪として体内に蓄積されます。運動量が不足したり、過食が習慣になったりすると、それが顕著になります。そこで、糖質が豊富な白米や麺類の摂取量を抑え、相対的に発酵性食物繊維を増やそうというわけです。冬に向かうにつれて忙しくなり、十分に運動できないと感じてきたら、こうした食事面でのコントロールが体調管理には効果的です。

 また、オートミールなど全粒穀物の食品は、水分を吸収しながらゆっくりと消化器官を移動するため、適度な満腹感を維持しやすいといいます。朝食にシリアルを食べている人は、昼食も腹8分目で済ませられるのではないでしょうか。空腹感による昼食のドカ食いを防げば、血糖値の急激な上昇も抑制できます。

発酵性食物繊維を主食に取り入れる腸活レシピ

 第66回では、小麦ブランシリアルを中心に発酵性食物繊維を取り入れやすいレシピをご紹介しました。副菜やご飯のお供、デザートとしても取り入れられますので、ぜひ参考にしてください。

 ここでは、白米に比べて低カロリーで、鉄分やカルシウムなどの栄養素が豊富なため近年脚光を浴びている、「オートミール」を使った主食レシピを紹介します。管理栄養士の岸村康代さんによる考案で、オートミールにありがちなパサパサ感もなく調理もカンタンです。毎日続けやすく、腸内を整える“サステナブル(持続可能)な”健康施策として、日々の食生活に発酵性食物繊維を取り入れてはいかがでしょうか。

【オートミールと半熟卵のミートドリア風:1人前】

<材料>
オートミール……30g
水……50ml
ミートソース缶……50g
粗びき黒こしょう……少々
卵……1個
(お好みで)粉チーズ、乾燥パセリ……適量

<作り方>
(1)オートミールと水を耐熱容器に入れて600Wの電子レンジで50秒加熱する。取り出したら軽くほぐすように混ぜ合わせ、ミートソース缶とこしょうを加えてよく混ぜ合わせる。
(2)(1)をココットなどに入れて中央を少しくぼませて卵を割り入れ、オーブントースターで5分ほど、卵が半熟状に火が通るまで加熱する。
(3)お好みで、乾燥パセリと粉チーズをかけて、出来上がり。

【鮭と枝豆の和風雑炊風:1人前】

<材料>
オートミール……30g
【A】和風だし……200ml
【A】しょうゆ……小さじ2分の1
紅ザケフレーク(あらほぐし)または焼きザケ……20g
枝豆……適量
白ごま……適量
きざみのり……適量
小ネギ(あれば)……適量

<作り方>
(1)オートミールにAを混ぜ合わせ、600Wの電子レンジで1分40~50秒加熱する。
(2)仕上げにサケ、枝豆、白ごま、きざみのり、小ネギを添えて出来上がり。

【取材協力】
國澤 純(くにさわ じゅん)先生
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター センター長。ワクチンマテリアルプロジェクト&腸内環境システムプロジェクト プロジェクトリーダー。

 

【レシピ考案】
岸村 康代(きしむら やすよ)先生
管理栄養士。大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、商品開発や病院での指導を経て独立。日本野菜ソムリエ協会ビューティーフードプログラムの監修を務める。

 

執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)

美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。

【T】

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