疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第38回) 夏場の熱中症対策に!キウイフルーツと塩で栄養補給

ヘルスケア

公開日:2018.08.03

 暑さ指数(WBGT)を知っていますか。1954年にアメリカの海兵隊新兵訓練所で考案され、「気温、湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)」の3つの要素を取り入れた熱中症対策のための指標です。暑さ指数は気温と同じく℃で示され、この値が28℃を超えると熱中症患者が著しく増加するといいます。

 そこで、改めて熱中症対策をおさらいしながら、おいしくいただける栄養補給のレシピを紹介したいと思います。

2018年の熱中症搬送者は過去最多

 公表されている国内6都市(東京都・新潟市・名古屋市・大阪市・広島市・福岡市)平均の日最高暑さ指数を見ると、7月1日から22日までに28℃以上の日がのべ18日にわたり、特に16日から22日の1週間は連続して31℃以上を記録し、過去10年間の平均値と比べても高くなりました。また、この1週間の熱中症搬送者数は全国で2万2647人に上り、2008年の調査開始以来、最多となったことが環境省のレポート(※)で明らかになっています。

 暑さ指数が31℃以上とは、気温だけを参考にするなら35℃以上に相当するといいます。高齢者の方は安静な状態でも熱中症が発生するといわれるレベルで、日本体育協会のガイドブックでは「運動は原則中止」と示される危険域。まだまだ猛暑が予想される今年の夏を乗り切るには、熱中症対策が欠かせません。今からでも遅くはないので、有効な対策を職場や地域ですぐに実践しましょう。

※ 「暑さ指数と熱中症救急搬送者数との関係/平成30年度第9報~第12報」(環境省)を基に記述

2018年版の熱中症対策

 国内840カ所の暑さ指数の実測値や予測値を公開している「熱中症予防情報サイト」(環境省)では、「熱中症環境保健マニュアル 2018」が公開されています。これによると、熱中症予防の基本は脱水と体温の上昇を抑えること。

 つまり、暑さや水分不足への配慮だけでなく、栄養摂取や十分な休養にも気を配らなければなりません。今年7月、西日本では特に豪雨災害も重なったこともあり、無理を通す雰囲気の職場があるかもしれませんが、体調を崩してしまっては大変です。熱中症対策は、1人ひとりの心掛けに加えて、地域や職場の協力も欠かせない取り組みといえるでしょう。

 同マニュアルには、さまざまな熱中症対策が掲載されていますが、ここでは「集団活動における熱中症対策のポイント」を引用しておきます。管理者にある方は、今一度、ご自身の地域や職場の環境をチェックしてみてください。

集団活動における熱中症対策のポイント

・ 熱中症予防の責任者を決めたか
・ 熱中症予防の監督者を配置したか
・ すぐ利用できる休憩場所を確保したか
・ こまめに休憩が取れるように休み時間を予定に入れたか
・ いつでも飲める冷たい飲料を準備したか
・ 体力や体調に合わせたペースを守るように指導したか
・ 気軽に体調を相談できる雰囲気を作ったか
・ 体調不良は正直に申告するよう指導したか
・ 相互に体調を気遣うよう指導したか
(「熱中症環境保健マニュアル2018」P35より引用)

水分にプラス「糖・塩・カリウム・マグネシウム・カルシウム」の補給を

 汗をかくと、水分とともに塩分などのミネラルも排出されます。そのため、これらを補う小まめな栄養補給が必要です。管理栄養士の足立香代子先生に、どんな栄養補給が必要かを伺いました。

 「最近では熱中症予防に“小まめな水分補給と塩分補給”と、かなり理解が進んできていますが、実はこれでは十分ではありません。熱中症予防に水分と併せて補給したいのは、糖・塩・カリウム・マグネシウム・カルシウムの栄養素群。経口補水飲料には、この5つの栄養素がバランスよく含まれています」とのこと。もしも熱中症の疑いがあり、経口補水飲料を摂取できないほど衰弱している人がいたのなら点滴が必要ですので、すぐに医療機関へ向かわせましょう。点滴には上記5つの栄養素がたっぷり入っているだけでなく、直接血液に入れることができるので、即効性に優れているのです。

 では、これらの栄養素を夏場に継続して摂取するにはどうしたらいいのでしょうか。効果的な摂取方法を足立先生にご指南いただきました。

「キウイフルーツ+塩」で“食べる点滴”

 「経口補水飲料と同じ役割を果たすのが、キウイフルーツに塩を加えたドリンク。“食べる点滴”ともいわれています。キウイフルーツ1個に加える塩の量の目安は、0.5g程度(親指と人さし指でひとつまみ)が適量です。これを毎日続けるためには“キウイの手もみスムージー”がオススメです」と、足立先生。

<キウイの手もみスムージーの作り方>
◇材料(1人分)
・完熟キウイフルーツ……1個
・塩……0.5g(親指と人さし指でひとつまみが目安)
・水……コップ1杯弱
・ジッパータイプのビニール袋……1枚
  
◇作り方
1 ビニール袋に完熟キウイフルーツと塩分0.5gを入れて手でもみ込むように潰す
2 ビニール袋にコップ1杯弱の水を加える
3 グラスに注いで出来上がり

 人は睡眠中に500~600mlの汗をかくため、夜寝る前に補給しておくとよいと足立先生。熱中症環境保健マニュアル2018には「日常生活で摂取する水分のうち、飲料として摂取すべき量(食事等に含まれる水分を除く)は1日あたり1.2リットルが目安」とあります。日中に摂取した水分の量、汗のかき具合によって、夜にどれだけの塩分・ミネラル類を摂取すべきかを逆算すると分かりやすいです。

 熱中症から命を守る一番の方法は、予防です。特に、水分や栄養の補給、適度な休息は、工夫次第で今すぐよりよくしていくことができます。夏場は屋外や屋内に関係なく、誰でも熱中症になる可能性があります。自己の体調管理とともに職場内での連携、高齢者や子どもに対する地域の気配りなど、身の回りでできる対策をお互いに進めましょう。

【取材協力】
足立香代子先生
一般社団法人臨床栄養実践協会 理事長、せんぽ東京高輪病院 名誉栄養管理室長、管理栄養士。日本臨床栄養学会理事。日本肥満治療学会理事。

 

 

執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)

美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。

【T】

あわせて読みたい記事

  • 疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第97回)

    笑顔で心身ともにいつまでも若々しく

    ヘルスケア

    2024.07.09

  • 疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第96回)

    出会いの春にすすめたい、お酒との付き合い方

    ヘルスケア

    2024.04.11

  • 疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第95回)

    冬こそオーラルケアを見直そう

    ヘルスケア

    2024.01.29

連載バックナンバー

疲れ解消★カンタン!アンチエイジング