疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第43回) 働くママには時間がない。パパの工夫で疲労回復を

ヘルスケア

公開日:2019.01.25

 出産・子育ては家族にとって大きなライフイベントの1つです。新しい家族を迎えて幸せを感じる一方で、育児と家事、育児と仕事の両立、出産前の働き方からの変更など、答えのない問題も山積みです。子どものことを最優先にしたいのにできなかったり、気の合う夫婦だったはずなのにケンカが絶えなかったりなど、ストレスを感じることが増えてきます。

 こうした日常的なストレスを減らすことは、健康な生活を送るためには必要です。ママだけでできることではなく、パパの理解や協力、職場の仲間からの共感が欠かせません。そこで今回は、働くママへのアンケート調査を見ながら、ストレスマネジメントの専門家に子育てと仕事を両立する際のストレスにはどんなものがあるのか、またその改善方法について伺いました。

「時間のなさ」がストレスを感じさせる

 まずは、働く女性の気持ちを知るために、ユースキン製薬と杏林大学名誉教授でストレス専門医の古賀良彦先生が共同で行った、働くママのストレスに関する実態調査に注目しました。

「働く女性のストレスに関する調査」(2016年5月)
(http://www.yuskin.co.jp/release/2016/stress.pdf)
対象:3年以内に産休明け職場復帰した女性206人、首都圏在住、20~40代、有職者(正規)
調査方法:WEB調査
調査期間:2016年5月20~22日

 その結果、約9割が「時間がないことにストレスを感じる」と回答し、半数以上が「仕事復帰前よりも産休明け復帰後の方がイライラする」ことが分かりました。

 「産休明けで職場復帰し、子育てとの両立が難しく仕事を辞めようと思ったことはありますか」という質問には45.1%が「はい」と回答。そのうち60.2%は「復職後3カ月以内」で、17.2%が「復職後3~6カ月未満」で仕事を続けられないと強く思ったと回答しています。

 「子どもを預けている園から発熱などで急なお迎え要請があったとき、すぐに動ける人は自分しかいない」ケース(54.9%)や、「仕事・家事・育児を頑張っても褒めてもらえない」ケース(60.7%)が過半数を占めることから、「自分ばかりが大変!」「苦しさをわかってもらえない」という窮屈さもストレスの要因になっているようです。

働くママが活用できる時間はごく僅か!

 さらに「産休明け復職後にストレスを感じて出た症状」を尋ねた結果(当てはまると思う選択肢から3つ選択)を見ると、上位5つは以下の通りです。

(1) 怒りっぽくなっていてイライラすることがある(55.3%)
(2) 休日にゆっくり休めたという実感が湧かない(47.1%)
(3) 全身の怠さがある(32.5%)
(4) 肩こりがひどい(30.6%)
(5) 寝つきが悪く途中で起きてしまうことがある(18.4%)

 また、「平日の1日のうちでほっとする時間帯」を尋ねた結果、多く集まった回答は「子どもが寝た後」(73.3%)、「朝の通勤時間」(28.6%)、「自分の入浴とスキンケアの時間」(21.9%)でした。

 一方で、「あてはまる時間帯がない」という回答(21.9%)も。これらのことから、働く女性が抱えるストレスと、それを解消するための時間を捻出することの難しさとがうかがえます。

 この調査で浮き彫りになったのは産休明けのママの実態ですが、子どもの成長に伴い、苦労の質や取られる時間は変わっても同様のストレスを抱えながら過ごすことになります。自分の時間の確保と並行して、子育てと仕事との両立に奮闘するママの疲労やストレスは、どのように改善していけばよいのでしょうか。杏林大学名誉教授でストレス専門医の古賀良彦先生に聞きました。

ストレスを抱える女性のパートナーや周囲の人ができること

 古賀先生によると、働くママの疲労・ストレスを改善するポイントとして、次のように解説します。

 「まずは、限られた時間を有効に使うために何を解消するべきか、自分だけと頑張らず周りに協力を求めること。それと、子育てや家事に関連したさまざまなサービスを活用することです。そして、パートナーや職場の仲間、同じ思いを共有できるママ友などに臆せず相談してみましょう」

 古賀先生は、子育てと仕事を両立させたいママに対して、時間がない中でも実践すべき日々の取り組みとして「3つのR」と「BAM」を上げました。

<3つのR>
日々の生活に組み込むべき時間
Rest(休息・睡眠)
Recreation(気晴らし)
Relaxation(癒やし)

<BAM>
ストレス改善に役立つ取り組み
Bath(入浴)
Aroma(アロマ)
Massage(マッサージ)

 心身の疲労を緩和・回復する「時間」を確保する中でできることは限られています。例えば、香りやマッサージの効能を活用することは、疲労回復・ストレス改善効果を高める工夫の1つです。隙間時間に香り付きハンドクリームでセルフマッサージをすることや、アロマ入浴剤を入れたお風呂に入浴するなど、“1人でゆっくり楽しく過ごす時間”を少しでも設けることがストレスケアに役立ちます。

 こうしたストレスケアについて古賀先生は、次のように補足します。

 「香りでのストレスケアは、医療にも応用されています。また、セルフタッチには、心理学の分野において、自分を安心させる効果があることが分かっています。ストレスを累積させないよう、毎日少しずつ解消することが大切です」

 産休明け復職後ストレスを感じたときに出た症状として紹介されている「最近、イライラしている」「疲れたとばかり言う」などは、奥様からのSOSといえます。そんなときは、パートナーがお気に入りのマッサージオイルやハンドクリームをプレゼントしたり、ゆっくり入浴する時間を確保できるよう少し家事を引き受けたりするのがオススメ。まずは小さな工夫から始めて、お互いに尊重し合うことで、いきいきと子育てをする環境づくりの助けになります。

 ストレス解消は、2人がいつまでも若々しく健康でいられることにつながります。笑顔のある家庭であれば、おのずと仕事にも前向きな影響をもたらします。

【取材協力】
古賀 良彦 先生
杏林大学 名誉教授。日本催眠学会理事長、日本ブレインヘルス協会理事長、日本薬物脳波学会副理事長、日本臨床神経生理学会理事などを務める。

執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)

美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。

【T】

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