疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第95回) 冬こそオーラルケアを見直そう

ヘルスケア

公開日:2024.01.29

 食べる、飲む、話す、笑顔になる。いずれの要素にも関連する「口」は、食事に関する機能を持つだけではなく、感情表現や顔の印象にも関わる重要な身体部位です。また、歯を含む口腔(こうくう)内の健康を保つことは、虫歯や歯周病の予防につながります。特に歯周病は生活習慣病との関連が深く、予防が全身の健康維持に影響するともいわれています。仲間やビジネスパートナーと膝を突き合わせたコミュニケーションをしたり、年齢を重ねても食事や会話を楽しんだりするためには、口腔(こうくう)内の健康が絶対条件といえるでしょう。

 外で人と会う機会が増えてきた今だからこそ、日々のオーラルケアを見直して口腔(こうくう)のコンディションを整えましょう。今回は毎日取り組みたいセルフケア法に加えて、空気が乾燥する冬の時期特有のトラブル対策をご紹介します。

オーラルケアで口腔(こうくう)トラブルを回避

 オーラルケアとは、一般的に歯や歯茎、舌を含めた口腔(こうくう)全体の健康維持を目的としたケアや衛生管理のことをさします。口腔(こうくう)清掃に加えて機能訓練という意味もあるようです。したがって、オーラルケアを習慣化すれば口周辺の筋力・柔軟性の維持にもなり、若々しく感情豊かな表情を保つことにもつながります。

 オーラルケアを怠ったために起こりやすい口腔(こうくう)トラブルの代表例といえば、虫歯や歯周病です。これらは歯を支える組織を弱めて歯を失うリスクを高めるばかりか、生活習慣病との関連性も指摘されています。口臭や歯の変色といった口腔(こうくう)トラブルは自分では気づきにくく、周囲に不快感を与える要因になりかねません。虫歯や歯周病、口臭、歯の変色の大きな原因は、口内の汚れやそれによって繁殖した細菌です。これらを取り除き口腔(こうくう)を清潔に保つためのオーラルケアは、歯の健康を守る基本的なケアであり、同時に口腔(こうくう)トラブルの予防や早期発見につながる重要な習慣です。口腔(こうくう)トラブルのせいで日々のコミュニケーションに自信を失ったり、全身の健康に悪影響を及ぼしたりと、よいことは1つもありません。日常的なオーラルケアに努めましょう。

忙しい毎日でも取り組みやすいセルフケア

 オーラルケアの重要性を理解していても、忙しい日々の中、徹底するのは難しい……というのがビジネスパーソンの実情かもしれません。ゆっくりと丁寧にケアするのが難しいときには時短ケアで効率を高めましょう。

●1回のケア時間を少なくして1日のケア回数を増やす
 口腔(こうくう)の健康を保つケアで最も重要かつ有効的なのは、歯や歯茎の汚れを定着する前に落とすことです。ケア間隔が空けば空くほど汚れの定着や蓄積の原因となり、これを落とすには労力がかかるため落としきれなくなる場合があります。ですから、忙しいときは歯磨き・歯間清掃・マウスウォッシュといったすべてを1回で行うのではなく、1日の中で分散してみましょう。例えば、朝目覚めたときと夜寝る前には歯磨きや歯間清掃を念入りに、朝昼晩の食後はマウスウォッシュやうがいで手軽に、と考えれば取り組みやすいのではないでしょうか。

●オーラルケアグッズと使い方を見直す
 ブラシ部分が高速振動または回転する電動歯ブラシは、歯面の汚れを除去し歯磨き時間を短縮するのに効率的です。しかし、使い方を誤っていませんか。手磨きとは異なり一定の力でブラッシングできるため、手磨きのように手を動かしたり、過度に力を入れたりする必要はありません。また、パワーのあるモデルを使う場合、研磨剤入りの歯磨き粉では歯の磨き過ぎになったり、歯茎を傷めたりしやすいため、歯磨き粉が不要というものもあります。メーカーは推奨する使い方を開示していますので、電動歯ブラシを毎日使っているという人は、改めて見直してみると新たな発見があると思います。

 また、デンタルフロスや歯間ブラシを活用している人も多いと思いますが、正しく使えていますか。厚生労働省の健康情報サイト「eヘルスネット」には、デンタルフロス、歯間ブラシの使い方動画が紹介されていますので、使い方に不安のある人、まだ使ったことがない人は見てみましょう。歯磨きや歯間清掃は正しく使うこと、慣れることが結果的に時短、効率アップになりますから、歯科医院で指導してもらうのもオススメです。

 ケア回数を増やすには、洗面所ではなく仕事用のデスクなど、いつでも手に取れる場所にオーラルケアグッズを置いておくのも効果的です。目に見える場所にあれば、隙間時間をケア時間に変えられます。通気性のよい歯磨きセットや持ち運びしやすい口内洗浄剤・洗口液を活用しましょう。なお、口内洗浄剤・洗口液は商品によって適切な回数や使用方法が異なりますから、メーカーが推奨する用法・用量を守って使用してください。

冬特有の口腔(こうくう)トラブル対策

 空気が乾燥する冬は口腔(こうくう)も乾燥しやすく、唾液の分泌量が減少すると口臭や歯周病のリスクが高まりやすくなります。唾液はPH調整や汚れの洗い流し、細菌の繁殖抑制など口腔(こうくう)の健康を保つ重要な役割を担っています。唾液の分泌を促すケアを中心に、冬のトラブル回避に努めましょう。

●こまめな水分補給とよくかんで食べること
 口腔(こうくう)の潤いを保つには、水分補給が欠かせません。暑さや喉の渇きを感じにくい冬こそ、こまめな水分補給を心がけて口腔(こうくう)の乾燥を防ぎましょう。冬場は飲食店での飲酒機会が多くなり、アルコールの摂取が増える時期でもあります。悪酔いや体への負担を防ぐためにもお酒のグラスとは別に水を用意し、できるだけ飲むようにしてください。

 甘いものに偏った食生活や、時間を決めずにダラダラと食べることは口内環境を悪化させる原因の一つです。バランスのよい食生活を保ち、よくかんで食べるようにしましょう。よくかんで食べることは、消化酵素を含む唾液の分泌促進や口腔(こうくう)の洗浄、唾液による細菌の繁殖抑制、頭部・顎の動きによる脳の働きの活性化、口まわりのアンチエイジング、時間を掛けることによる満腹感の増進、食べ過ぎ防止などに役立ちます。

●舌苔(ぜったい)を除去しよう
 舌苔とは舌に付着した灰白色または黄白色のコケ状のものをさします。食後や寝る前に歯磨きをしない人、間食が多い人に付きやすく、口腔(こうくう)が乾燥している人ほど舌苔が増えやすいといわれています。このため、食事が不規則な人やストレスの多い人、会話の多い人、寝るときに口を開けている人は注意が必要です。口臭の原因のほぼ9割は口の中にあり、そのほとんどが舌苔にあると「eヘルスネット」(口臭の治療・予防)でも指摘されています。

 舌苔が気になったら柔らかめの歯ブラシや目の粗いタオル、もしくは専用の舌ブラシでブラッシングしましょう。やり過ぎは舌の粘膜を傷つける恐れがあるため1日1回、朝起きたときに行うようにしてください。その際、1回でそぐのではなく日数を掛けて優しく除去するのがコツです。舌の洗浄ができる口内洗浄剤・洗口液を活用するのも1つの方法です。いずれも使う前には、メーカー推奨の使用方法を確認しましょう。

 口腔(こうくう)の健康状態は、生活習慣の見直しに役立つバロメーターです。上記のセルフケアに加え、歯科医院での定期的な検診を習慣化すればさらに安心です。歯科医院では口腔(こうくう)の健康状態が分かるだけでなく、状況に応じて専門的なクリーニングを受けられます。日々のセルフケアでは届かない部分にアプローチするとともに、セルフケアをより効果的なものにしていきましょう。口腔(こうくう)の健康が整うと顔の印象も違ってきます。他人との会食や会話を楽しみ、自信を持って人前に立てるよう、毎日のオーラルケアを実践してください。

執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)

美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。

【T】

あわせて読みたい記事

  • 疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第97回)

    笑顔で心身ともにいつまでも若々しく

    ヘルスケア

    2024.07.09

  • 疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第96回)

    出会いの春にすすめたい、お酒との付き合い方

    ヘルスケア

    2024.04.11

  • 疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第95回)

    冬こそオーラルケアを見直そう

    ヘルスケア

    2024.01.29

連載バックナンバー

疲れ解消★カンタン!アンチエイジング