疲れ解消★カンタン!アンチエイジング(第82回) たんぱく質「プラス10g」で、強くて美しい体をつくろう

ヘルスケア

公開日:2022.04.14

 たんぱく質は、内臓機能やホルモンバランス、基礎代謝を整えるのに欠かせない栄養素です。そのため、健康管理や美肌づくり、引き締まった体づくりには、日々の食事で十分にたんぱく質を補うことが大切です。そう語るのは、強くて美しい体づくりのスペシャリスト、スポーツ管理栄養士の細野恵美先生です。代謝の効率を上げて強い体をつくるうえで必要なたんぱく質摂取のコツについて、細野先生に伺いました。

今一度見直したい、たんぱく質の働き

 次に挙げる項目は、たんぱく質不足を招きやすい、または不足すると現れやすい事象です。思い当たるものがあるかチェックしてみてください。

□食事をおにぎりやパンなどの単品料理で済ませることが多い
□カロリー摂取量に気を付け、主食や主菜の量を控えるようにしている
□運動をしているのに、体力が付かない
□筋トレをしても筋力が付かず、ボディーラインが引き締まらない
□髪や肌の艶・ハリがなくなってきたように感じる

 たんぱく質と聞くと「筋肉」をイメージする人が多いと思いますが、たんぱく質の役割はそれだけではありません。人間の体を構成する要素の約60%が水分、約20%がたんぱく質だといわれています。つまり、水分を除いた部分の約半分を占めているのです。たんぱく質は、筋肉や臓器、血管、靭帯、軟骨などを構成するほか、血液中の血漿(けっしょう)成分や血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素でもあります。さらに、肌のハリや弾力を保つコラーゲンや女性ホルモンも、主な原料はたんぱく質です。たんぱく質の不足は健康な体の活動に悪影響を及ぼすものと注意しましょう。

 「常に新陳代謝を繰り返すたんぱく質のために、その材料を日々の食事から摂取する必要があります」という細野先生。たんぱく質は肉や魚、卵、豆製品、乳製品などに豊富に含まれます。これらの食品をバランスよく食事に取り入れながら、たんぱく質を必要量摂取しなければなりません。

たんぱく質の必要量を知っておこう

 さて、ここで日々の食事に必要なたんぱく質の量を確認しておきましょう。日本人の食事摂取基準(2020年版/厚生労働省)によると、1日に推奨されるたんぱく質の摂取量は、18〜64歳の成人男性で65g/日、65歳以上のシニア男性で60g/日、18歳以上の女性で50g/日とあります。運動習慣のある人なら「1食当たり20〜35g」を目安に考えるとよいでしょう。もしも推奨量を下回っている場合には、食事の改善が必要です。

 「短時間で食事を済ませたいからといって、朝食やランチのときに “おにぎりだけ”、“サンドイッチだけ”を選んでいては、たんぱく質が不足しやすくなります。できれば、これにたんぱく質が豊富なおかずを1つ追加するように意識しましょう」と細野先生は話します。

 例えば、サケやめんたいこのおにぎりの場合、2個で10g程度のたんぱく質を、卵やハムのサンドイッチの場合、1包で10g程度のたんぱく質を摂取できます。そのため、たんぱく質が豊富な具材が入ったおにぎり2個、またはサンドイッチ1包に、サイドディッシュとして10g以上のたんぱく質をプラスするのがよいそうです。コンビニやスーパーで購入できる豆腐バーやサラダチキン、レトルトパウチの食品も、忙しいときにもう1品として選びやすいメニューです。たんぱく質の量は食品表示で知ることができますから、食事の組み合わせを決める際の参考にするとよいでしょう。

 たんぱく質の必要量は、年齢や体格、運動量などによって異なります。厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」の「食事バランスガイド(基本編)」、「食事バランスガイド(実践・応用編)」を参考に、ご自身の必要量を確認しましょう。糖質やビタミン・ミネラルなど、たんぱく質以外の栄養バランスも同時に見直せます。

運動と糖質をさらに掛け合わせて強い体をつくる

 細野先生に、たんぱく質不足を防ぐ食事の工夫をさらにお聞きすると、「糖質とたんぱく質を一緒に摂取する」ことを薦められました。たんぱく質不足を改善したいのに、糖質も一緒に取るのはなぜなのか疑問に思う方も少なくないかもしれません。ここで少し、糖質について説明を加えておきます。

 体の活動に必要なエネルギーは、炭水化物に含まれる糖質・たんぱく質・脂質の三大栄養素から生産されます。このうち、体の活動のエネルギー源として最も早く利用されるのが糖質です。糖質は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして一定量蓄えられますが、これが運動などで不足していくと、エネルギー生産のために体内のたんぱく質が分解されます。こうして、体のたんぱく質がますます不足していきます。

 たんぱく質がエネルギーとして分解されるのを抑制するには、糖質の摂取が必要なのです。ただし、取り過ぎた余分な糖質は体内に中性脂肪として蓄積されてメタボの原因になります。代謝の効率を上げて強い体をつくるという目的でいえば、糖質とたんぱく質を一緒に摂取することは“運動とセット”と覚えておきましょう。

 最後に、朝食にたんぱく質を取り入れるメリットについても教えてくださいました。

 「朝、たんぱく質を取ると、1日の体内リズムが整いやすくなります。体内時計と関連の深いメラトニンは、たんぱく質から得られるアミノ酸(トリプトファン)を栄養源として生成されているからです。また、疫学調査では、夜にまとめてたんぱく質を取るよりも、朝に取ったほうが筋肉を維持しやすいという報告があります」と細野先生は語ります。朝のたんぱく質チャージは、仕事モードへのスムーズな切り替えにも役立つようです。

 効率の良いたんぱく質摂取で心身のコンディションを整えて、仕事や体づくりのパフォーマンスを高めていきましょう。

※Aoyama et al., 2021, Cell Reports 36, 109336 July 6, 2021

執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)

美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。

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