ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
心の名医シーベリー博士が教える幸せな生き方
デヴィッド・シーベリー 著 加藤諦三 翻訳/三笠書房
不安や悩みを解消する方法です。誰もが直面する将来への不安や正体の分からないことに対する気苦労に振り回されることから開放され、明るい見通しが持てるようになる方法が分かります。
大事なことは、不確かなことではなく、目の前の現実です。不確かなことや悩んでも仕方のないことを悩むのはムダです。分かっていても、一度思い込んでしまうと心はなかなか晴れないものです。本書は、そんな思い込みから解放され、幸せになる方法を解説してくれる本です。じっくり読んで立ち向かえば、幸せを感じる能力が高まります。結果、人生が開けていくはずです。
「将来が不安」「先行きに希望が持てない」と感じることがあるはずです。これを考え過ぎて眠れなくなり、仕事の効率が落ちたり、体調を崩したりすれば、本当に不幸になってしまいます。将来のことなど誰にも分からないのですから、明るい見通しを持ったほうがいいはずです。そのほうが、少なくとも今は幸せに生きられます。でも、簡単なことではありません。
本書は、そんな不確かな悩みを解消し、幸せになる方法を解説しています。教えてくれるのは、アメリカを代表する心理学者です。心の危機の乗り越え方を数々の臨床経験に基づいて解説してくれます。
はじめに、悩み、怒りで緊張した心をリラックスさせる方法を教えます。心の回復力が弱い人の共通点を紹介し、問題解決のための心の準備や、いら立ちを解消する効果的な方法を解説します。さらに、上手な心配の仕方や悩みを解消する方法、否定的な暗示を解く方法など、全編不安を取り除くレッスンになっています。読めば、将来に明るい見通しが持てるようになるはずです。
仕事や人間関係などに悩んでいる人はもちろん、将来に明るい見通しが持てない人、漠然とした不安にさいなまれている人など、日常に幸せを感じられないすべての人におすすめします。
日本の幸福度は、世界149カ国中56位と低いままです。世界を見渡せば、悪い国とも思えませんが、一向に改善しないのは、悲観的な国民性によるところも大きいと思います。これが行き過ぎて、体調を崩したり、人間関係を壊したり、やけくそになって自堕落な生活を送ったりすれば、本当に不幸を招いてしまいます。
私も、子どもの頃は、将来を悲観していました。「生きていくことは厳しい」「将来が不安だ」と心底思っていました。恐らく、周りの大人たちから、そう言われ続けてきたからだと思います。彼らの目的は「だから努力せよ」と鼓舞するつもりだったのだと思います。でも、子どもに将来を悲観させるには十分効果的でした。「そんなに大変なら、楽しむのは今」とむしろ享楽的になりました。
そして、実際大人になってみて思ったことは「大人もそんなに悪くない」ということです。確かに、責任が大きくなり、自由も制限されるなど、大変な面もあります。大人の思惑通り、将来に備えて努力してよかったとも思います。その点は大人たちに感謝しています。でも、大変な分、喜びも大きく、幸せを実感する機会も増えているように思います。
そもそも、大人になれば、子どもの頃大変だと思っていたことも、それほど大変ではなくなります。自分に解決する力がついたり、耐性ができたりするからです。それ以上に、何とかなる面もあります。今この日本において、物理的に不幸になることは難しく、後は気の持ちようです。そう考えると、あまり先行きを悲観するのもどうかと思います。
ケセラセラではありませんが、どうせなるようにしかなりません。良いほうに転ぶ可能性だって大いにあります。であれば、できることはやっておくにしても、あまり思い悩まないことです。と言いながら、かつての大人のように将来の不安を吹聴する自分がいることに気付かされます。未来は悪くないことを伝えていくことも、大人の大事な役割だと本書を読んで思うようになりました。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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