ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
オンラインでは目を見て話すな
竹本アイラ 著/ 三笠書房
オンラインコミュニケーションの本です。すっかり普及し、定着しつつあるオンラインコミュニケーションのコツや具体的な対処法を教えてくれます。リアルでは魅力的でも、オンラインでは残念という人がいるものです。それは、リアルの流儀をオンラインにそのまま持ち込んでいるからかもしれません。本書を読めばその対策が学べます。
オンラインの接客・プレゼンを成功させ、業績を上げる基本や極意が満載です。読めば、オンラインコミュニケーションがスムーズにできるようになり、好印象を持ってもらえるようになるはずです。
コロナ禍で会議、ミーティング、接客やプレゼンがオンラインに置き換わりました。その後、リアルに戻りつつありますが、一部はオンラインが定着しつつあります。そうなると、苦手とか、うまくできないでは済まされません。また、話し方や表情など、小手先の工夫だけでは乗り切れません。オンラインでも相手の心をつかみ、成果を上げなければなりません。それができるようになれば、これまで以上の成果を上げ、周囲と大きな差をつけることができるようになるかもしれません。本書にはそのコツと方法が書いてあります。
具体的には、オンラインコミュニケーション成功の留意点に始まり、リアル対面につなげる方法や役立つツール、セールスセミナー、動画配信の工夫まで網羅しています。読めばオンラインコミュニケーションの達人になれるはずです。オンラインコミュニケーションが苦手な人、もっと得意になって業績を上げたい、オンライン上で説得力を高めたい、好印象を持たれたいなど、オンラインを極めたいすべての人におすすめします。
コロナが収束し、オンラインに置き換わっていた多くがリアルに戻りつつあります。本書も今更感があるかもしれません。でも、多少の揺り戻しはありつつ、すべてが元には戻らないと思います。私も、セミナーや講演などはいっときほとんど全てがオンラインに置き換わりました。その後、一部はリアルに戻りつつあります。それでもすべてが戻ったわけではありません。
個人的には、できるだけオンラインで済ませたいと思っています。それは時間効率が極めて高いからです。もちろん、会って話したい人もいますが。でも、事務的な打ち合わせは極力オンライン希望です。その結果、人間関係をリアルで会いたい人とオンラインで済ませたい人に仕分けるようになってしまいました。そうなると出会いが減るのではないかと、一時は心配になりました。
確かに、これまでも渋々会った人と意気投合し、長く付き合うようになった人もいます。初めからリアルで会う機会を遮断してしまうと、そうした偶然がなくなる懸念がなくもありません。ただ、この心配はインターネットが普及した時にもありました。対面で会わなくなると人間関係が表面的になる、出会いのチャンスを喪失するというものです。
実際は、インターネットで気軽にアクセスできるようになった結果、出会いの総量はむしろ増えました。本書にもある通り、オンラインで知り合った人とも、その気になればリアルでも会うからです。その結果、リアルで付き会う人の数は、むしろ増えていきそうです。こんなふうに、今後もオンラインも選択肢に加えながら、ますます人付き合いを広げていくのだと思います。
この流れは、もう戻らないと思います。そう考えるとオンラインコミュニケーションは、これからもますます重要な役割を担うはずです。ならば今から基本を押さえておくべきです。本書はその入門書として最適です。本書の内容を押さえて実践していけば、スキルが高まり、さらに成果を上げられるようになると思います。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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