ニューノーマル処方箋(第78回)
フリーWi-Fiはなぜ危険?リスクを軽減する7つの対策
今や必須と言えるスマホ。外出先でフリーWi-Fi(公衆無線LAN)アクセスポイントを活用している方も多いのではないでしょうか?しかし、注意しないと接続するだけで個人情報が流出失してしまうことも...。今回は、フリーWi-Fiに潜む危険性と対策をご紹介します。
フリーWi-Fiとは、原則「無料」で不特定多数の人々が自由に利用できるWi-Fiアクセスポイントをさし、公衆無線LANやホットスポットなどと呼ばれることもあります。運営者はさまざまで、「観光地で自治体が提供するもの」「街中で飲食店などがサービスとして提供するもの」「ホテルが宿泊客用に提供するもの」などが代表的。多くの人々がいつでも気軽にインターネットにアクセスできるという点でメリットがあり、広く浸透しています。
フリーWi-Fiは手軽さが魅力ですが、危険なことも...。例えば、以下のようなフリーWi-Fiの利用には注意が必要です。
設置者が善意でも、通信内容が暗号で保護されず、悪意のある第三者に覗き見される可能性があります。
利用者の個人情報を盗んだり、コンピューターウイルスを仕掛けたりする目的で、悪意を持って設置されている無線LANアクセスポイントが存在します。暗号化されていないアクセスポイントは、「なりすまし」の可能性も高いと言えます。
では、具体的に被害の例をご紹介しましょう。
・メールやSNSなどの通信内容が漏れてしまう。
・ショッピングサイトのログイン情報やクレジットカードの情報が盗まれる。
・メールアドレスやパスワードを盗まれる。
・Webサイトのアクセス先を強制的に変更される。悪意のある偽サイトに誘導される。
・悪質なコンピューターウイルスを送り込まれる。
・端末を遠隔操作されてしまう。
モニタリング(画面を監視)をされて情報を抜き取られてしまう被害が多いのですが、上記に挙げたケース以外にもさまざまな手口で狙われる可能性があります。十分に注意しましょう。
①Wi-Fiの接続を「手動」設定に切り替える
新しいネットワークに接続する際、確認メッセージが表示されます。SSIDを確認することで安全性を高めることができます。ただし、「なりすまし」には要注意です!カフェやホテルでSSIDに施設名が入っていても油断は禁物です(SSIDは設置者が任意に設定可能)。

②使わないときはWi-Fiを切っておく
面倒ですが、確実な方法です。一度、暗号化されていないアクセスポイントや、悪意のある「なりすまし」のフリーWi-Fiに接続してしまうと、その後も自動で接続してしまい、接続時間が長くなるほど危険が増します。Wi-Fiを切っておくと、知らないうちにこうした危険なフリーWi-Fiに接続してしまう心配が無くなります(Wi-Fiにつながった時はいつも、接続先を確認する習慣を付けておくのも良いでしょう)。
③暗号化されていないフリーWi-Fiスポットを利用しない
暗号化されていないフリーWi-Fiは危険がいっぱいです。設置者がはっきりしていても、通信が暗号化されていないので、大声で電話をしているのと同じ状態。電波の届く範囲に悪意のある第三者がいると、簡単に内容を覗き見されてしまいます。また、「なりすまし」にも注意しましょう。

④フリーWi-Fi利用中は「https」から始まるサイトだけ見る
「https」から始まるサイトは、Wi-Fiの暗号化とは別に、サイトとスマホの間で暗号化通信を行います。Wi-Fi通信が暗号化されていなくても、内容を覗き見るのは困難です。ただし、「なりすまし」や、同じネットワークに接続している第三者からの攻撃には注意が必要。悪意のある通信を遮断できる、セキュリティーソフトの併用が安心です。
⑤むやみにWi-Fiスポットを登録しない
Wi-Fiスポットを登録する際に注意をしていても、数が多くなると管理がおろそかになりがちです。必要最小限に絞り込むようにしましょう。
⑥VPNサービスを利用する
VPNとは、「Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク)」の略で、拠点間の通信を暗号化することで、公共のインターネット通信網を利用しつつ、仮想的な「専用回線」として使用できるサービスです。暗号化されていないフリーWi-Fiを使った場合でも、VPNなら情報セキュリティーの観点で安全な方法と言えます。
⑦セキュリティーソフトを利用する
パソコンにはしっかり対策をしていてもスマホは手薄...という方も案外多いのではないでしょうか?セキュリティーソフトの中には、危険なフリーWi-Fiへの対策ができるものもあります。自分のスマホやパソコンにセキュリティーソフトが入っているか、確認しましょう。ただ、いくらセキュリティーソフトの導入が大切といっても、安易に無料のものをインストールするのはおすすめしません。信頼できる発行元であることも、ソフトを選ぶうえで重要なポイントです。
外出先でのフリーWi-Fiは便利な反面、思わぬリスクが潜んでいます。今回ご紹介した7つの対策を意識するだけでも、被害を未然に防ぐことが可能です。特に、VPNやセキュリティーソフトの活用は、日常的な安心につながる心強い手段です。
安全なネット環境を整えることは、スマホやパソコンを使うすべての人にとって、もはや「自己防衛」の一環。もし「何から始めればいいかわからない」と感じたら、まずは身近なWi-Fi環境やセキュリティー対策を見直してみることから始めてみましょう。快適で安心なデジタルライフのために、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
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執筆=Biz Clip編集部
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