ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
なぜこの人と「また」話したくなるのか
田中イデア 著
大和書房
話し方の本です。といっても、スピーチやプレゼンなど、人前でうまく話す方法ではありません。日常会話や雑談の技術です。「また話したい」と思ってもらえる方法です。
誰もが、人と「うまく話したい」と思っているはずです。でも、なかなかうまくいきません。一念発起して話しかけたのに「しらけた」「黙られた」「警戒された」など空回りの経験は、よくあります。反対に、会話が弾めばチャンスや出会いにつながるかもしれません。もし、それが簡単にできる方法があるなら、ぜひ知りたいはずです。本書には、それが書いてあります。
「話し上手」といえば、真っ先に思い浮かぶのが、芸人や司会者など、テレビで活躍する人たちです。彼らの技術なら、ぜひ学びたいものです。ただ、普通は知る機会がありません。本書にはまさにそれが書いてあります。著者は、放送作家で、お笑い芸人の指導も行うそうで、芸能人たちと交流して学んだ会話のテクニックを、分かりやすく解説してくれます。
もちろん、才能や高度なスキルは必要ありません。誰でも、簡単にできるちょっとしたスキルやコツです。それだけで、会話が今よりずっと楽に、楽しく、盛り上がります。
例えば「出会って4秒でネタを作る方法」や「アイドルとも同じ目線になれる話題」など、まさに放送作家だからこそ分かる会話のヒミツです。
「自分の会話がつまらない」と悩んでいる人、職場や日常生活でのちょっとした会話が盛り上がらないと感じている人はもちろん、会話に困っていない人も、学べるところがたくさんあると思います。
「話」は難しいものです。苦手な人には、本当に苦痛です。特に、意外と難しいのが雑談です。雑談は準備ができないため、瞬発力が求められるからです。
大勢の前で講演したり、プレゼンしたりするほうが、一方的に話せばいい分、簡単かもしれません。実際、カリスマ講師と呼ばれるような方の中にも「雑談は、からっきし」という人が時々います。それなのに、雑談や日常会話は、講演やプレゼンほど、ノウハウが確立しておらず、参考書などもありません。意識して、改善する機会もありません。
かく言う私も、雑談はあまり得意ではありません。懇親会や交流会などに参加する機会はよくありますが、いつも思うように話ができず、長く続きません。そんなわけで、お誘いをいただいても、出掛けるのが面倒です。結果、ビジネスチャンスを逃している可能性もあります。そういう人は、意外に多いように思います。
その点、本書は、ありそうでなかった日常会話のヒント集です。特殊な才能や能力は必要ありません。誰でも簡単に実践できる会話のちょっとしたコツを紹介してくれます。
中でも「心地よいリアクション、繰り返し」や「いつも会話が続かない人へ」の箇所などは、自分自身、よく直面する場面なので、「早速使ってみよう」と思いました。
なお、本書には「会話のNG集」の側面もあります。例えば「無意識に何事も否定から入る人がいる」という指摘がありましたが、確かにそういう人をよく見かけます。また「トーク泥棒」の話も出てきました。共感しながら、相手の話を奪ってしまう人のことです。これなどは、自分も無意識にやっていないか、改めてチェックしようと思いました。
このように、内容はシンプルですが、色々な気付きが得られる本です。読めば、仕事はもちろん、プライベートでも、きっと役立つと思います。ぜひ読んで、会話を磨いてみてください。
執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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