脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第101回)
社運が上向く? Wi-Fi7
なくてはならないネットワーク環境。IT担当者に任せきりだけど、自社の状況をもっと知りたい。そんなIT初心者の社長にも分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、通信速度や機能向上が目覚ましいWi-Fiの最新規格「Wi-Fi7(ワイファイセブン)」だ。
「社長、Wi-Fiの最新規格である『Wi-Fi7』が注目されています。次のネットワーク更新のときに、アクセスポイントのリプレースを検討しませんか」(総務兼IT担当者)
「ラッキーセブン? なんだか縁起がよさそうだな」(社長)
「Wi-Fi7は1つ前のWi-Fi6に比べて色々と進化しているんです。大容量データも高速で通信できるのが特徴なので、オンライン会議なども快適にできると思います」
「7にして社運が上向くなら、検討してもいいぞ。7にすると何がいいのか、詳しく教えてくれるか」
Wi-Fi7(IEEE802.11be)とは、第7世代のWi-Fi規格のことです。Wi-Fi6/6Eに比べ、より高速・低遅延で、通信安定性が高い点が特徴です。そのため、大容量データのやり取りが必要なシーンでも快適に通信できます。日本では2024年ごろからWi-Fi7に対応した機器の使用が可能になり、各種デバイスに加え、ルーターやアクセスポイントも数多く出回っています。

Wi-Fi7の特徴の一例
Wi-Fi6とWi-Fi7の大きな違いは、通信速度にあります。Wi-Fi6の最大通信速度は9.6Gbpsであるのに対し、Wi-Fi7は約4.8倍も速い46Gbpsとなっています(最大通信速度は理論値)。さらに、最大帯域幅の拡張やデータ送受信を効率化する変調方式の採用、周波数の割り当て最適化など、無線通信技術の進化により、低遅延かつ安定した通信ができることも特徴です。
Wi Fi7では、無線通信の帯域幅がWi Fi 6の約2倍に拡張されました。これにより、大容量データの高速通信を実現しています。
また、複数の周波数帯を同時に利用できるMLO(マルチリンクオペレーション)にも対応しています。これまでは一つの帯域でしか送受信ができず、例えば電子レンジの電波がWi-Fiに干渉して通信が途切れることがありました。MLOに対応していれば電波干渉の影響を最小限に抑えられるので、低遅延で安定した通信が期待できます。
複数人が同時にWi-Fiへ接続するオフィスやカフェなどでは、高速で安定した通信環境が欠かせません。Wi-Fi7であればオンライン会議、動画配信など、大容量データのコンテンツも快適に利用できると期待されます。
Wi-Fi7を利用するには、Wi-Fi7対応のデバイスやルーター、アクセスポイントが必要です。また、インターネット回線の増強が必要な場合もあります。自社の通信環境見直しも含めて、専門家に詳しく相談するのがよいでしょう。
「Wi-Fi7の特徴を理解していただけましたか。縁起がよいのではなく、Wi-Fi6よりパワーアップしていることが分かっていただけたかと思います」 (総務兼IT担当者)
「進化したのは分かったが、わが社には時期尚早な気がするな。他の社員からもネットが遅いという声は聞こえてこないし」(社長)
「そ、そんな......。なんでも新しい方がいいと思うんですが」
「ははっ、私の座右の銘は『七転び八起き』だぞ。また機会があったら、検討しよう」
「前もそう言って、なかなか設備更新を承認していただけなかったじゃないですか。私にとっては『七転八倒』ですよ」
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=山崎 俊明
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