ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
何で分かりにくいカタカナばかりなんだろう、とついグチをこぼしたくたくなるIT用語。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、スマホにノートパソコンをつないで社外でもインターネット接続できるテザリングだ。
「社長、外出先でもインターネットに接続できるよう、テザリングを始めませんか」(総務兼IT担当者)
「何、テ?リング? 腕輪とインターネットがどんな関係にあるんだ」(社長)
「違いますよ。腕輪なんて言っていません。スマホにノートパソコンをつないでインターネットに接続することですよ。テザリングなら外出時にカフェなどのWi-Fiを使わなくても済むようになるんです」
「カフェ?けしからん!最近はそんな所でさぼっているのか。今度見回りに行かんとな。社員がさぼらなくなるなら、その何たらリングを考えてもいいぞ」
テザリングとは、英語で「つなぐ」こと。転じてスマホにノートパソコンやタブレットをつないでインターネット接続を行う意味で使われています。通常、テザリングはスマホを契約しているモバイル通信事業者のサービスオプションとして提供されます。テザリングでスマホとノートパソコンをつなげば、外出先でも仕事ができます。
Q テザリングはどうやって利用するのですか
スマホを契約しているモバイル通信事業者にテザリングのオプション利用を申し込みます。月額数百円程度のオプションサービス利用料が必要です。このほか、テザリングのデータ利用量に応じて通信料がかかる場合もあります。
Q テザリングの接続方法を教えてください
スマホの設定画面から「インターネット共有」「テザリング」といった表示をオンにします(スマホの機種によって設定・表示内容は異なります)。電波が届く周囲で不正利用されないよう、必ずパスワードを設定しましょう。ノートパソコンのWi-Fi設定で自分のスマホの名前を指定して、パスワードを入力します。これで、スマホのテザリングを通じてノートパソコンがインターネットにつながります。
Q 外出先のインターネット接続は無料Wi-Fiで十分なのでは?
駅などの公共施設やコンビニなどの店舗では、無料で利用できる公衆Wi-Fiがあります。ただ、無料の公衆Wi-Fiはセキュリティが弱いケースがあります。仕事で使うのは避けたいものです。
Q テザリングに注意点はありますか
インターネットの動画などを閲覧するとデータ量が多くなります。契約するデータ通信量の上限を超えると、月内の通信速度が低下する「通信制限」を受ける可能性があります(モバイル事業者と契約するプランによります)。また、データ通信量が多くなると通信料金も高くなります。データ定額サービスに加入しておくと安心です。
テザリング中はスマホのバッテリーを消費し、通常よりも早く電池が切れる恐れがあります。
スマホのテザリングと同様の使い方ができる機器にモバイル(Wi-Fi)ルーターがあります。持ち歩くIT機器が増えますが、モバイル(Wi-Fi)ルーターを使えばスマホのバッテリーを気にせずにデータ通信を行えます。
「社長、テザリングのこと、何となく分かっていただけましたか。会社用のスマホとテザリングを導入しましょう。社長の指示にすぐに対応できるようになりますよ。社外にいてもノートパソコンで資料を作成して、すぐにメールを返信できます!」(総務兼IT担当者)
「おおそうか。いつも、懸案事項を後回しにする君が、テザリングで変身できるのかね」(社長)
「はい、変身でなく、返信ならできます」
「それなら、わしのリング、結婚指輪がどこかにいってしまったんだ。変身したならすぐに探し出せないか」
「社長、それは難しいかと……。メールで奥さまにおわびの返信をしたほうが早いです」
執筆=山崎 俊明
【MT】
脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」