ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
難解で、何回聞いてもよく分からないIT用語。そんなIT初心者の社長にも理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は「サーバー」だ。
「社長、会社にあるサーバーの中で、古くなった機種があります。買い替えの承認をお願いできませんか」(総務兼IT担当者)
「何!!サバだって。ついに君もサバの魅力に気が付いたのか。サバは焼いても煮つけにしてもうまいからな。ワシは特にサバの押し寿司が大好物なんだ」(社長)
「社長、また本気のボケですか。いつになったら分かってくれるのやら」
「まだボケておらん!サバに含まれるDHAは頭にもよいというぞ」
「ですから魚のサバではなくて、コンピューターのサーバーです。2020年1月にセキュリティのサポートが終了するサーバー用の基本ソフトウエアがあるんです。早く対策を打たないと大変なことになるんです」
「古いものはダメなことくらい、ワシだって知っておる。サバは何しろ、新しくないとうまくない。鮮度が命だからな」
サーバーは、社員(ユーザー)に様々なサービスを提供するコンピューター機器です。例えば、社内・部門の情報を共有するファイルサーバー、社員のメールを送受信するメールサーバー、ホームページやインターネットサービスで利用されるWebサーバーなど、社内にはさまざまな種類のサーバーが置かれ、システムの要として動いています。自社でサーバーを保有するほか、データセンターのサーバーを借りたり、クラウドサービスを利用したりする方法もあります。自社でサーバーを運用している場合、基本ソフト(OS)に「Windows Server 2008」や後継の「Windows Server 2008 R2」を利用している企業は注意が必要です。2020年1月にマイクロソフトのサポートが終了するからです。
Q どうしてサポートが終了すると注意が必要なのですか
Windows Server 2008/2008 R2に対するマイクロソフトのサポートが2020年1月14日で終了します。サポート終了後はセキュリティ更新プログラムの提供や、脆弱性の修正が行われません。サーバーをインターネットに接続している場合、セキュリティの脅威に対して無防備になるリスクが発生します。
Q 無防備になったら困ります。どうすればよいでしょうか
2つの方法があります。
1、最新基本ソフト(OS)のWindows Server 2019などへ移行
2、クラウドサービスへ移行
一番分かりやすい方法は基本ソフト(OS)をアップグレードする方法です。Windows Server 2019か、その前のバージョンのWindows Server 2016に移行します。 もう1つの方法はクラウドサービスの利用です。サポート終了を契機に、自社でサーバーを保有する環境から、サーバーを保有しないクラウド環境に移行する方法もあります。クラウドサービスを利用すれば、セキュリティはそのクラウドサービスに準拠します。脅威に対して無防備になるリスクが解消されます。
Q クラウドサービスを利用する場合、注意点はありますか
サーバー関連のセキュリティは利用するクラウドサービスに準拠しますので、サービス提供事業者のセキュリティポリシーをしっかり確認する必要があります。また、クラウドサービスはネットワーク利用が前提になります。自社のネットワークセキュリティの再確認のほか、インターネット接続の帯域など、通信環境も考慮しなければなりません。業務に影響するネットワークの遅延などが発生しないよう、通信事業者やネットワークに強いITサービス事業者に相談するといいでしょう。
「社長、早急なサーバー対策が必要な理由を分かっていただけましたか」(総務兼IT担当者)
「最近は体によいといってサバの人気が高いそうだな。手軽なサバミソの缶詰も品薄のようで、ワシも何とかせんといかん!と考えていたところだ」
「まだ、そんなこと言っているんですか。社長は会社の情報を保存するサーバーより、サバ缶のほうが大切なんですか」
「そうなんだ。サーバーもサバも保管(缶)がミソ」
執筆=山崎 俊明
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