脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第70回) データの中心でコストを叫ぶDC

クラウド・共有 デジタル化

公開日:2023.10.30

 会議でITが話題になることもあるが、いったい何のことやら……。いまさら聞けないIT用語をIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるように解説する本連載。今回は、会社で利用しているかもしれない「DC(データセンター)」だ。

「社長、データセンターって知っていますか。企業での利用が増え、どんどん進化しているそうですよ」(総務兼IT担当者)

「何、ホームセンターだって。知っているに決まっているだろ。日用品や園芸品だけじゃなく、お酒も種類が多い。確かに進化しているな。ワシもよく行くぞ」(社長)

「センターは同じですが、ホームセンターではなくデータセンターです。企業のシステムやデータを預かるだけでなく、クラウドサービスの基盤にもなっているんです」

「その何とかセンターがどうしたんだ。センターなら何か安いのか」

「うちも、そろそろクラウドサービスを入れようかと思いまして。まず、社長にデータセンターを知ってもらおうと」

「安ければ検討しよう。何が進化しているのか。ワシに分かるように説明しなさい」

クラウドサービスの基盤となるDC

 企業などのシステムやデータを預かったり、サーバーを貸し出すサービスを提供したりする施設をデータセンター(DC)と呼びます。近年はサーバーの高性能化や、高速なネットワーク接続などによりDCが進化。国内外の事業者がDCを基盤に多種多様なクラウドサービスを展開しています。

データセンターを活用したクラウドサービスのイメージ

Q DCの特徴を教えてください

 DCは企業やサービス事業者の大切なシステムやデータを預かる施設です。そのため、耐震・耐火構造の建物、万一に備えた電源設備や空調・防火設備、強固なセキュリティ対策や監視体制などを備えています。

 クラウドサービスの多くはDCを利用しています。クラウドというとフワッとした“雲”をつかむような存在を思い浮かべがちですが、実は、安全性が高く堅固なDCを基盤に信頼性の高いサービスを提供しているのです。

Q DCを活用したクラウドサービスの利点は何でしょうか

 業務ソフトやデータ保管ストレージなど、多種多様なクラウドサービスが提供されています。例えば、自社で構築・運用しているファイルサーバーに代えてクラウドストレージを活用すれば、データ保護対策や、運用コスト軽減を実現できるケースも少なくありません。

Q クラウドサービスを活用する際に注意点はありますか

 クラウドサービスの利用は、一般的にインターネット接続が前提となります。クラウドストレージは、インターネットを介して社内外のどこからでも業務ファイルを閲覧・編集できる利点があります。ただ、ユーザーのなりすましによる不正アクセスの懸念があります。クラウドサービスの検討時には、ネットワークとセキュリティに強いITサービス事業者に相談するとよいでしょう。

導入の根拠もデータを中心に

「社長、データセンターとクラウドサービスの関係を理解していただけましたか。データセンターが進化すれば、より安心してクラウドサービスを利用できるんです」(総務兼IT担当者)

「会社の中にデータを置いておくより安心できて、さらにコストも安くなる可能性があるわけか」(社長)

「そうなんです。うちのようなコストにうるさい会社にクラウドストレージはぴったりなんです」

「どれだけのコスト効果があるのか、きちんとデータを中心(センター)に示しなさい」

執筆=山崎 俊明

【MT】

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