脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第98回)
"トンネル"を抜けてデータを安全にやり取り
新たなIT製品・サービスは次々に登場するものの、どれが自社の業務に役立つのか判断が難しい。そんなIT初心者の社長にも分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、すでに歩数計や健康管理などで使っている人がいるかもしれない「ウェアラブルデバイス」だ。
「私もついにスマートウォッチを手に入れたよ。妻からのプレゼントなんだ」(社長)
「よかったですね! スマートウォッチは日々の歩数や心拍数の計測などができるので、健康維持に役立ちます。きっと社長のお体が心配なんでしょうね」(総務兼IT担当者)
「そうなのか、実はまだ使い方がよく分かっていなくて」
「スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスは、業務での利用も進んでいます。わが社でも活用できる場面はいろいろありそうです」
「業務用のウェア......、それは作業服のことか? 腕時計とどんな関係があるんだ」
ウェアラブルデバイスとは、身体に装着できる小型の端末・電子機器のことです。具体的には、腕時計のように身に着けるスマートウォッチや眼鏡型のスマートグラス、頭や胸などに装着可能なウェアラブルカメラなどが挙げられます。近年は、従業員の健康管理や現場作業の支援にウェアラブルデバイスを導入するなど、業務での利用も広がっています。

ウェアラブルデバイスは、身体に装着することで心拍数や体温などのバイタルデータを計測したり、GPS機能を用いて位置情報を取得したりできる。これにより、従業員の健康管理や作業支援、人材教育などに役立てる
Q ウェアラブルデバイスが注目される理由は何でしょうか?
より小型かつ高性能な製品が手ごろな価格で入手できるようになっているからと言えます。昨今は人材不足が進み、現場作業にはベテラン従業員のノウハウ伝達や生産性向上など多くの課題があります。夏の屋外作業や災害後の復旧作業など、危険を伴う現場作業での安全確保も急務です。こうした課題解決の一手として、ウェアラブルデバイスを活用した現場作業の効率化や安全確保に注目が集まっています。
Q ウェアラブルデバイスはビジネスシーンでどのように活用されていますか?
例えばスマートウォッチの場合、心拍数や皮膚温度などのバイタルデータや位置情報が取得可能です。夏の時期にはこうしたデータと温湿度センサーを組み合わせ、現場作業における熱中症対策に役立てるケースがあります。また、現場作業で参照したいマニュアルなどをスマートグラスに表示させたり、ウェアラブルカメラで現場の状況をリアルタイムに別の拠点へ伝達したりと、現場管理の効率化にも役立ちます。
Q ウェアラブルデバイス利用時にはどんなことに注意が必要ですか?
心拍数や血中酸素などのバイタルデータは個人情報でもあるため、ウェアラブルデバイスでこうしたデータを取得するには本人の同意が必要です。また、デバイスの盗難・紛失、不正アクセス、なりすましなどにも十分注意が必要です。
用途によっては、装着型に限らず固定設置のクラウド型カメラが適する場合もあります。自社の業務に適したデバイスは何なのか、ITに熟知した事業者に相談してみるとよいでしょう。
「ウェアラブルデバイスのこと、何となく分かっていただけましたか」(総務兼IT担当者)
「確かに従業員の健康状態は気になるぞ。作業中に具合が悪くなっては一大事だ」(社長)
「昨今は健康経営も重要視されていますし、デバイスをうまく使うとよいと思います」
「従業員のこともそうだが、私の健康も気になる。妻にいらぬ心配をかけさせないよう、健康には十分注意しないとな」
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=山崎 俊明
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