脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第21回) 「Wi-Fi」を入れずに飲み会でごまかす社長

Wi-Fi

公開日:2019.08.21

 耳にしたことはあるけれど、内容はなかなか理解できないIT用語。そんなIT初心者の社長にも理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は会社や自宅でもきっと使っているはずの「Wi-Fi(ワイファイ)」だ。

「社長、オフィスのWi-Fi(ワイファイ)をそろそろ新しいタイプに切り替えませんか」(総務兼IT担当者)

「なに!ワイワイの新しいタイプって何だ。お祭りでもするのか」(社長)

「何だか楽しそうですね、って違いますよ。Wi-Fiは無線LANのことです。社長もタブレットでインターネットを閲覧したり、メールのやり取りに使ったりしているじゃありませんか。高速のタイプに切り替えれば、もっと快適に通信できますし、社員同士もコミュニケーションが取りやすくなるんです」

「そうか。そのワイファイとやらでワイワイ楽しくコミュニケーションできるなら、切り替えを検討してみるか」

高速な無線通信規格のWi-Fiが続々登場

 オフィスや家庭のネットワークとして一般的になっているのがWi-Fi(無線LAN)です。Wi-Fiはもともと、米国の無線LANの業界団体が付与するロゴを表す言葉でしたが、現在は無線LANの代名詞のように使われています。無線通信技術の進化とともに、より高速な無線通信規格のWi-Fiが次々と登場し、ノートパソコンやタブレットでの大容量データのやり取りも快適に行えるようになってきました。

Q 高速なWi-Fiが必要な理由を教えてください

 無線LANは決して新しい技術ではありません。すでにオフィスでWi-Fiを利用している企業も少なくないでしょう。ただ、通信速度が遅い昔の製品をそのまま使い続けている可能性はあります。

 今ではWi-Fiに接続する端末台数が増え、利用するアプリケーションもビデオ会議など大容量データをやり取りするものが増えてきています。古いタイプのWi-Fiでは通信速度が遅いため、業務に影響を与えかねません。そこで、高速無線通信が可能なWi-Fi環境への切り替え、導入が企業に求められています。

Q Wi-Fiのメリットを教えてください

 Wi-Fiには、配線ケーブルが必要ありません。高速なWi-Fiを導入すれば、会議室にタブレットを持ち込んでペーパーレス会議を行ったり、ノートパソコンを用いて本社とリモート拠点を結ぶビデオ会議を行ったりできます。

 また、部署の垣根を越えてコミュニケーションを活性化させるため、決められた席のないフリーアドレスを採用する企業が増えています。フリーアドレスなら、席の隣に普段接することのない社員が座る可能性も出てきます。

 このフリーアドレスには快適なWi-Fi環境が必須です。Wi-Fiを活用すれば、ノートパソコンやタブレットを持ち歩き、自席以外でも仕事ができます。他の社員とのコミュニケーションが取りやすくなるのです。

Q Wi-Fi利用の注意点はありますか

 多くの端末が同時にWi-Fiに接続すると、通信速度(実効速度)が低下する場合があります。また、電波干渉を起こすと、通信チャネルの設定が必要な事態が生じます。快適な通信を実現するための事前調査や、自社のWi-Fiの使い方に適したWi-Fi規格の選択を含め、ネットワークの専門家に相談するとよいでしょう。

Wi-Fi活用の注意点。ネットワークの専門家の協力が欠かせない

 

Wi-Fiの代わりは飲み会?

「社長、新しいWi-Fiが必要な理由を理解していただけましたか」(総務兼IT担当者)

「うむ。今の職場環境に課題があるのは分かった」

「新しいWi-Fiを導入すれば、社内のコミュニケーションも取りやすくなると思いますよ」

「よし!社内の風通しを良くするために、社員との飲み会を計画してくれ。ワイわいやって、ファイとで乗り切ろう」

「社長、Wi-Fiを導入せずに、飲み会でごまかすつもりですね……」

執筆=山崎 俊明

【MT】

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