ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ネットやカタログで見たり、商談で聞いたりはしたけれど、なかなか理解できないIT用語。そんなIT初心者の社長にも理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は業務効率化の大きな力になる「OCR」(オーシーアール)だ。
「社長、伝票処理を効率化したいので、そろそろOCRを導入しませんか」(総務兼IT担当者)
「何! オイシー?わしはうまいものには目がないんだ。君はどんなオイシーものを食べたんだね」(社長)
「さつま揚げです、って違いますよ。OCRは食べ物ではなくて、手書き伝票などをデータ化してくれるシステムの呼び名です。伝票をパソコンで入力する手間が省けるんです」
「手間が省けてオイシーって、どんな料理なんだ?」
「ですから料理ではないんです…」
OCR(Optical Character Recognition/Reader)は日本語にすると「光学文字認識/読み取り」となります。複合機や専用スキャナーで紙伝票をスキャンして文字を読み取り、OCRソフトでデジタルデータ(パソコンで扱えるテキストや数値データ)に変換します。
例えば、(1)紙の申込書をスキャナーでスキャン(2)OCRソフトが自動で申込書の文字(氏名・住所など)をデジタルデータ(テキストや数値データ)に変換(3)担当者が変換結果を確認(4)デジタルデータを業務システムなどに入力、というフローです。受発注伝票や請求書などの紙伝票を手作業でパソコンに入力している場合、OCRソフトの活用で入力の手間やミスを減らせます。大幅に業務を効率化できます。
Q OCRが注目される理由を教えてください
OCRは決して新しいシステムではありません。近年、注目されている理由は、文字を読み取る精度が高くなり、業務で十分に活用できるレベルに達してきたからです。最近はAI(人工知能)を利用し、高精度の文字読み取りが可能なシステム(AI-OCR)も登場しています。
例えば、会員入会申込書が手書きで読みづらい場合も、AIが手書き文字を判読して自動でテキストデータに変換してくれます。最近のAI-OCRは高い確率で手書き文字を判読できるようになっています。
Q OCRのメリットを他にも教えてください
パソコンの定型作業を自動化するRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)を組み合わせれば、さらなる業務効率化が期待できます。上で述べた(4)のフローの自動化も可能になります。
自動化の仕組みが分からなくても大丈夫です。例えば、OCRソフトでデジタルデータに変換された受発注伝票をRPAが自動で振り分け、販売管理システムに入力してくれたり、請求書の送り主のメールアドレスに受領メールを送付してくれたりします。従来、人手に頼っていた業務の自動化が可能になるのです。
Q OCR活用に留意点はありますか
高精度の読み取りが可能になったとはいえ、100%の精度ではありません。読み取りデータが間違っていないかどうか人が確認し、間違っていれば修正する作業が必要です。また、手書き文字の場合、書く人の癖や殴り書きなどで文字を誤って読み取るケースも考えられます。
そこで、会員の申込書などを手書きで記入してもらう場合、OCR処理を前提とした記入用紙を用意します。用紙にマス目を入れて住所や電話番号、メールアドレスなどの数字やアルファベットを丁寧に記入してもらうようにするなどの工夫をすれば読み取りの精度が高まり、後処理も楽になります。
最新のOCRソフトには、処理枚数に応じて課金するクラウドサービスも登場しています。どのようにOCRを活用すれば業務効率化につながるのか、専門家に相談するといいでしょう。
「社長、OCRがどんなに便利なものか、分かっていただけましたか」(総務兼IT担当者)
「確かに、伝票の入力作業の手間が減れば、君の負担も減るな」(社長)
「そうです、OCRは働き方改革にもなるんです。すぐに導入しましょう」
「なるほど。君の負担が減るならその分、仕事を増やさんといかんな」
「いやいや、他にもやることがいっぱいでして…」
「よし!OCRとやらに限らず業務効率化を進めるぞ。君を業務効率化委員会の委員長に任命する。OCRだけにオイシー話だとは思わんかね」
「委員のメンバーは…私1人なんですよね?」
「オシイー。私と君だ。膝詰めでじっくり話し合おうじゃないか」
執筆=山崎 俊明
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