ビジネスWi-Fiで会社改造(第48回)
中堅・中小企業のためのビジネスWi-Fi投資最適化ガイド
ITはそれほど詳しくないものの、システムの導入や更新などの決裁はしなくてはならない。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、システムの導入や運用に関わる「オンプレミス」だ。
「社長、オンプレミスのサーバーが更新を迎えるのですが、更新費用が想定より大幅にアップしそうで...クラウドサーバーへの移行を検討したいのですが」(総務兼IT担当者)
「オレがミスした? サーバーの更新で何かあったのか」(社長)
「社長はミスなんてしていません。オンプレミスとは、自社内にサーバーを設置して運用する方法のことです」
「うちのシステムがミスした? 何だかややこしいな。もう少し詳しく説明してくれるか?」
オンプレミスとは、自社内にサーバーやネットワーク環境などを構築し、自社で保守・運用する形態のこと。昨今はクラウドサーバーやクラウドストレージの普及により、オンプレミスとクラウドが対比されるようになりました。
どちらの形態が自社に適しているのか、システムの利用目的などに応じ、適材適所で選択するといいでしょう。

従来はオンプレミス型が主流だったが、現在はクラウド型に移行するケースも珍しくない
Q オンプレミスとはどのようなものですか。
オンプレミスはクラウドに比べてシステム稼働までの時間やコストがかかるものの、自社独自のカスタマイズや既存システムとの連携など、システム構築の自由度が高い点がメリットです。また、本社やデータセンターなどにサーバーを設置し、自社に必要なセキュリティ対策を講じたり、各拠点から閉域網(IP-VPNなど)を介して接続したりするなど、セキュリティに留意したシステム利用も可能です。
Q オンプレミスとクラウドの違いは何でしょうか。
オンプレミスとクラウドの最も大きな違いは、必要なITリソースをすべて自社で用意する必要があるかどうか、という点です。例えば、ストレージの場合、オンプレミスであれば将来に備えてあらかじめ大容量のストレージを導入することも珍しくありません。その結果、オーバースペックになったり、コストが割高になったりすることも考えられます。クラウドであれば、必要に応じてストレージの容量を容易に増減できます。
Q オンプレミスとクラウドの選び方で注意点はありますか。
適材適所でオンプレミスとクラウドを使い分けるといいでしょう。例えば自社の機密情報はオンプレミスのサーバーに、不特定多数の人が利用するデータはクラウドストレージに、という方法があります。また、クラウドストレージの場合、インターネットを介して社内のファイルサーバーと同様に操作できるだけでなく、データバックアップなどBCP対策に有用なサービスもあります。自社に適した形態は何なのか、身近なIT事業者に相談してみてください。
「オンプレミスとクラウドの違いを理解していただけましたか」(総務兼IT担当者)
「何となく分かったよ、ありがとう。クラウドストレージにすれば外出先でも資料をチェックできるのは便利だな」(社長)
「はい、お忙しい社長にも、すぐに報告資料を共有することが可能です」
「なんだか、もっと早く仕事しろと言われているような気がするな。部下にそう思われないよう、早急に導入を検討しよう」
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=山崎 俊明
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