オフィスあるある4コマ(第66回)
突然現れた不審な車
ITを活用した業務効率化や人手不足への対応。その必要性は百も承知だが、どう進めればいいのか分からない。そんなIT初心者の社長にも分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、定型業務の自動化を支援するRPAの導入・活用に関係する「シナリオ作成」だ。
「最近バックオフィスの業務がひっ迫していまして......。これを契機にRPAを導入しませんか」(総務兼IT担当者)
「RPA? また、私が知らない用語を出してきたな」(社長)
「以前、説明したことがあると思います。PCで行う定型業務を自動化するツールです。ただ、RPAを活用するにはシナリオ作成がポイントです」
「シナリオ? 何かセリフやストーリーでも書いてあるのか?」
「そのシナリオとはちょっと違うんです」
■目次
・RPAの操作に必要なシナリオ作成
・シナリオ作成のスタートは自動化する作業の洗い出しから
・プログラミング知識が乏しい場合でもRPAは開発可能
・現場主導で開発できればRPA導入のハードルは下がる
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、伝票入力など手作業で行っているPC上の定型業務を自動化するソフトウエアです。そのRPAに、どの業務の操作をどのような手順で進めるかを指示するために必要なのが、シナリオ作成です。
作成したシナリオは、作業に必要な処理一つひとつを細かく並べていく「コーディング」や、実際の作業を録画してシナリオを生成する「レコーディング」などでRPAに実装します。昨今は高度なプログラミング知識がなくてもシナリオを作成できるツールや、シナリオ作成にAIを活用するツールも登場しており、より手軽にRPAが導入できます。

シナリオ実装方法の一例
シナリオ作成は、どの業務をRPAに置き換えるかを決めるところから始まります。例えば経理であれば、作業手順がおおむね決まっている請求処理や仕分けなどの業務が対象になり得ます。
続いて操作手順の確認、棚卸しを行います。作業者は日ごろどのような手順でPCを操作しているかを整理します。複数の担当者がいる場合、同じ請求処理でもショートカットキーなど入力操作の手順が異なる場合もあるので、操作手順を見直し、統一します。その後、整理した作業手順を基にシナリオを作成し、RPAに実装していきます。
作成したシナリオは、さまざまなコマンドを組み合わせて一から設計する「コーディング」や、PC上の操作を録画して記録する「レコーディング」などの手法で実装します。操作手順が比較的少ない作業であればレコーディングでも十分対応可能ですが、細かなカスタマイズが必要な場合はコーディングの方が適しています。
昨今は高度なプログラミング知識がなくても手軽にRPAが実装できる、ノーコード/ローコード型のRPAツールが普及しています。一方で複雑かつ大規模な業務の自動化に関しては、VBAやPythonのようなコードを用いた開発が必要です。
RPAを活用する理由の一つに、現場業務の効率化が挙げられます。現場主導で導入が進められるよう開発のハードルはなるべく低い方がよいでしょう。RPAツールの選定においては、マウス操作や画面録画だけで設計できる、AIと対話すればシナリオが生成できるなど、実務担当者でも比較的手軽に開発可能かどうかがポイントになるでしょう。
自社にどんなツールが適しているのか、RPA開発に関してどのようなサポートが受けられるのかなど、RPAに詳しい事業者に相談してはいかがでしょうか。
「シナリオといっても、映画やドラマとは違うことが分かっていただけましたか」(総務兼IT担当者)
「会社の業務が効率化できるなら、月末の残業も減るかもしれないな。ちなみにキミの仕事は自動化できるのか?」(社長)
「私の仕事は社長のお供が多いので、RPAやAIに代替できる業務ではありません」
「確かに、ロボットがお供では味気ないな。これからもよろしく頼むよ」
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=山崎 俊明
【MT】
脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」