脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第105回)
そんなうまい話ある? スマホ内線化
多様な働き方への対応やコスト削減にITを活用したいが、うまい方法が思いつかない。そんなIT初心者の社長にも分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、スマートフォンを内線端末として利用することで、業務効率化やコスト削減を実現する「スマホ内線化」だ。
「最近社用スマホの通話料が高くなっている気がする。何か心当たりはあるか?」(社長)
「事務所や取引先にかけたり、社員同士で電話したり、いろいろありますからね。社用スマホを内線としても使うのはどうでしょう」(総務兼IT担当者)
「スマホで内線?まさか、あの固定電話を持ち歩こうっていうのか」
「違います。社用スマホに内線機能を追加すれば、通話料の削減につながるという話です」
「今どきのスマホは内線にもなるのか。なんとも想像がつかないが......。」
スマホ内線化とは、スマホを会社の電話システムにつなぎ、内線端末として利用することをさします。社内の固定電話と同じように内線通話や会社の電話番号での発着信ができるため、問い合わせ対応の迅速化につながります。また、会社の固定電話や社用スマホ同士で内線通話が使用できるようになれば、通話コストの削減も実現します。

スマホ内線化後のイメージ図
スマホ内線化は、リモートワークの普及に伴って注目が高まりました。昨今は自宅やサテライトオフィスなど、オフィス以外で働く人も珍しくありません。また、オフィスでフリーアドレスを採用する企業もあり、従来の固定型オフィス電話機では電話応対が難しい場面が増えています。
こうした状況の中、会社にかかってきた電話を社外でも受けたり、会社の電話番号で発信したりできるスマホ内線化が注目されているのです。着信時には相手の電話番号が表示されるためスムーズな応対が可能な他、発信時は会社の電話番号を使えるので、顧客や取引先も安心して電話を受けることができます。
スマホを内線化すると、これまで会社の固定電話で行っていた通話転送も使用できるようになります。オフィスで受けた電話を従業員のスマホに転送することが可能なため、電話取り次ぎの効率化や対応漏れ、伝言ミスの防止につながります。
また、万が一オフィスが自然災害で被災しても、社外から会社の電話システムが使用できるため、BCP(事業継続計画)対策にも有効です。
スマホを内線化する方法としては、PBX(Private Branch Exchange)の機能をインターネット上で提供するクラウドPBXの導入や、既存のビジネスフォン主装置に内線アダプターを連携する方法があります。クラウドPBXを使用する場合、オフィスにはIP電話対応の多機能電話機が必要になります。企業によっては従来のビジネスフォンから入れ替えなければならないケースもあるので、注意しましょう。
また、スマホ内線化においては、盗難・紛失時の対応を含めセキュリティ対策が重要です。電話機の入れ替えやセキュリティ対策など、スマホ内線化に関して一括で任せられる事業者に相談するといいでしょう。
「社長、スマホ内線化のこと、分かっていただけましたか。導入すれば営業担当者はもちろん、電話取り次ぎが多い内勤者も喜ぶと思います」(総務兼IT担当者)
「外出先でも簡単に電話がつながるのはいいが、昼食中や移動中にも電話がかかってくるのは考えものだな」(社長)
「そこはスマホの留守電機能やチャットツールも使いながら、社内で連携して対応するのがよいでしょうね。ITに強い会社として、人材採用時のアピールポイントにもなりますし」
「わが社にとってうまい話ばかりだな。スマホの内線化をすぐに進めよう」
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=山崎 俊明
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