ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
人は自分の置かれている環境が望むものではなくなると、メンタル面でダメージを受けやすくなります。そうなると、人は自分勝手に振る舞ったり、ふさぎ込んだりして、人間関係がギクシャクしてきます。例年なら5月病の類いといえますが、今年は新型コロナという大きなインパクトが継続中で、相当にストレスがたまっている人が多いように感じます。
そこで今回は、不安感やプレッシャーにメンタルがやられないように、「自分の心を整える術」をゴルフから学んでみたいと思います。
まだまだ油断のならないコロナ禍の中、ステイホームの時間を使ってボードゲームやオンラインゲームに興じたり、ネットで映画や音楽に親しんだり、資格や料理に挑戦してみたり……と、不安感やプレッシャーをやり過ごすための楽しみを見つけていることと思います。しかしながら、どんなに楽しいコトを見つけても、人は四六時中、ウキウキ、ワクワク、ご機嫌でいられるわけではありません。ちょっとしたことでイライラ、カリカリしますし、ささいなことで不機嫌になり、人に当たってしまうこともあります。そんな気分になると、何をやってもうまくいきません。
ゴルフのプレーで例えると、初心者やアベレージゴルファーの場合、1つのミスが引き金となり、その後もミスを連発し、ガタガタとスコアを崩していって立ち直れないことがあります。ミスに限らず、意気込み過ぎたり、過度なプレッシャーを感じたりするときも、うまくいかない率が上がります。
そんなときプロや上級者は、不安感やプレッシャーを跳ねのけ、メンタルをリカバリーし、形勢を逆転させています。一流のゴルファーとそうではない人との差は、不安感やプレッシャーを引きずるか否かの差にも表れているのです。
ミスをしたとき、心の底からウキウキ、ワクワク、楽しい気分でいられる人はいません。ゴルファーも同じです。ミスをしたら気分が下がり、自身のふがいなさに腹を立て、イライラ、カリカリといったネガティブな心の状態に陥ります。そんなときに必要なスキルが「自分の心を整える術」です。このようなネガティブな気持ちやプレッシャーをポジティブな気持ちに転化する、プロはその術にたけていると言ってよいでしょう。
2019年のシーズン、渋野日向子プロの活躍で「バウンスバック率」という言葉が知られるようになりました。
バウンスバック率は、ボギーかそれより悪いスコアとしたホールの直後のホールで、バーディーかそれより良いスコアを獲得する確率です。バウンスバックとは「跳ね返す」「立ち直る」という意味です。この年、渋野プロのバウンスバック率(※)が26.0684%で、ランキングでいえば2位に3.9ポイント以上の差をつけてダントツの1位でした。この数字は、4回に1回以上の割合でバウンスバックに成功していることを示していて、渋野プロの強さの裏付けともいえます。
※JLPGA公式サイトより
https://www.lpga.or.jp/stats/2019/lpga/bounceback
渋野プロのメンタルの強さは、意識してかどうかは分かりませんが「自分の心を整える術」にたけているのだと思います。この術は、荒ぶる感情を静め、理性的に思考することとも言い換えられます。
「感情」と「理性」という心の動きがある場合、感情が荒ぶるとどうしてもプレーが雑になります。逆に勝者に共通するのは、常に理性的かつ前向きでいること、これがスコアを安定させる秘訣であり「自分の心を整える術」です。では、どうすればそれを身に付けることができるのでしょうか?
自分の心を整えるのに特別なスキルは必要ありません。ここに紹介する「4原則」を常に意識しながら行動するだけです。ビジネスシーンでもぜひ実践してみてください。
【1】ポジティブワードを使う ポジティブワードとは文字通り前向きな言葉です。紙に思いつくポジティブワードをできるだけ、たくさん書き出してみましょう。
うれしい、楽しい、幸せ、大好き、ありがとう、元気、感謝、愉快だ、ウキウキ、ワクワク、素晴らしい、最高、おかげさま、すてき、すごい、できる、明るい、楽々、前向き、輝く、尊敬、希望、信じる、向上心、堂々と、面白い、充実、豊かだ、大きな声、上を向いて……いくつ書き出せましたか?それを壁など目に付く所に貼りましょう。ポジティブワードを頭に入れたら、日々の会話でも発するように心掛けてください。
ポジティブワードが自然と口をついて出るようになれば、自分にも周りにも良い影響が与えられるようになるでしょう。逆に、ネガティブワード(後ろ向きな言葉や言い訳)が多い人は不安感やプレッシャーが大きくなり行動がブレやすくなります。周りにも悪い影響を与えがちになるので気を付けてください。
【2】常に笑顔でいる 笑顔でいると、周りも明るくなります。周りが明るくなると自分も気持ちよく過ごせるようになり、さらに笑顔が増えます。何より、笑顔の人は頰のたるみも減り、若々しく感じられます。笑顔が難しいシーンでは口角を少し上げるだけでもよいでしょう。渋野プロの活躍の大きな要因は、「シブコスマイル」にあると私は思います。
【3】胸を張り、背筋を伸ばして姿勢を正す 姿勢とメンタルとは密接な関係があります。気分が荒れると頭が下がり、背中が丸まり、姿勢が悪くなります。逆もまたしかりで、姿勢が悪くなると体が痛み出して気持ちも晴れません。一方、胸を張り、背筋を伸ばし、正しい姿勢でいると、ウキウキ、ワクワク楽しく晴れやかな気分になります。周りからも、そうした姿が元気ハツラツに映ることでしょう。姿勢を正すことは体幹的にも良く、ゴルフプレーの上達にもつながります。
【4】過去も未来も考えず、“今”に集中する 過去のミスが心に残り、同じようなシーンで同じミスを繰り返すことがあります。また、池ポチャしたらどうしよう……などと未来の仮定に心が揺らぎ、その通りに実現するケースが多々あります。それなら、プラス思考で今に集中した方が、良い結果に近づく確率は上がるのではないでしょうか。今に集中する、つまり雑念を捨ててシンプルに考えると、集中力が上がりメンタルを強く保つことができます。
自分の心を整える術4原則は誰でもできます。それを平常時にクセ付けしていると、いざというときにも発揮することができ、心の回復も早くなるでしょう。普段できないことは勝負のときにはなおさらできません。自分で自分のご機嫌を取るセルフマネジメントで、第2波、第3波が予想されるコロナストレスに打ち勝ちましょう。
執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
【T】
ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」