ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第16回) スコアも翌日の仕事も絶好調にするゴルフ~歩行編~

スポーツ

公開日:2016.11.11

 ゴルフの翌日、疲れが残って仕事がシンドイという方はいませんか?それとも心身共に調子が良く、バリバリ仕事をこなしていますか?18ホール回っても疲れ知らずで、翌日の仕事をも絶好調にする「カラダにやさしいゴルフの楽しみ方」の第4弾。今回は、ゴルフプレーの基本ともいえる「歩き」について考えてみたいと思います。

コースに出ると体調が良くなる?

 私はゴルフの指導者と経営者の二足のわらじを履いています。本来は経営に専念すべきなのでしょうが、私のレッスンを楽しみに来てくださる方のため、そして経営をしながらもレッスンの現場には常に携わっておきたいという思いから、二足のわらじを履き続けています。

 ですから、健康には人一倍気を付けているつもりです。責任ある立場であることはもちろん、弊社の運営するゴルフスクールは「健康」を売りにしています。ゴルフを通じてより多くの人々に、健康で豊かな生活を送っていただくことをミッションとしています。その主管である私が不健康でいるわけにはいきませんから……。

 とはいうものの、時には忙しさのあまり、食事の時間が就寝時間の間際になったり、睡眠時間が5時間を切ってしまったりと、不健康な生活をしてしまうこともあります。

 このコラムの読者のみなさまならお察しの通り、やはりそのような状況が続くと、体調は優れず、物事に集中力できなかったり、アイデアが浮かばなかったりと、仕事のパフォーマンスは低下してしまいます。レッスンの質も下がっているかも知れません。

 一方で、体の調子がすこぶる良く、物事にも集中でき、新しいアイデアがどんどん湧き出てくるといったパフォーマンスの高いときがあります。それはコースに出た日の翌日から数日間です。

 私はこのところ、プライベートのゴルフにはほとんど行けていないのですが、お客様のコースレッスンには、月2回ほど帯同しています。このコースレッスンでは、初心者の方にはラフや傾斜地など、練習場ではなかなか経験できない実地でのさまざまな状況を経験いただきます。中上級者の方には、上達の障壁となっている要因を見つけ、さらなるステップアップを図ることに主眼を置いてラウンドしていただきます。

 お客様とともにコースを歩きながら、私はさまざまなシーンでアドバイスやコーチングを行います。このコースレッスン後の数日間が、自分でも面白いように体が軽く、動きがスムーズで、気持ちも上がり調子になれるのです。

 なぜ、コースに出た後はさらに体調が良くなるのでしょうか……?

 明確な理由は分かりませんが、コースに出て普段より多く歩いたことが、好調の要因のように私は思います。そこで、歩くことがどれだけ体に良いのかを調べてみました。

脳も体も良くなる、歩くことの効能

 全身の筋肉の約70%は下半身にあります。歩くことでこれをふんだんに使うと血流が促され、心臓が鍛えられます。重力で体の下の方にたまった血液を、心臓に送り返す働きを担うのが脚の筋肉です。ポンプのような働きをするのでマッスルポンプといわれています。歩くことでマッスルポンプの働きが向上し、血液循環機能が高まります。「脚は第二の心臓」といわれるぐらい、脚の筋肉は重要なのです。血液循環機能が向上すると、体内の老廃物を体の外に追い出すデトックスの効果も高まります。

 歩くことで酸素を多く消費するので、失った酸素を多く取り込もうとして肺の働きも活発になります。心臓や肺の働きが良くなると、疲労物質を酸化分解する能力が高まり、疲れにくくなります。また、歩行運動は有酸素運動です。有酸素運動は脂肪を燃焼させるため、ダイエットにも良いのです。

 それだけではありません。酸素を多く取り込むため、脳への酸素供給量も増え、脳も活性化されます。動かないでいるより、動けば全身に血が巡って、頭や体の働きが高まるというのは面白い現象だと思いませんか。疲れたくないからカートに乗るのではなく、疲れにくい体を作るために、できるだけカートには乗らないで積極的に歩くことをお勧めします。

 今や乗用カートでのプレーが主流になっていますので、コースでの歩行距離はかつてと比べて少なくなっていると思います。それでも18ホールラウンドすると、1万2千歩は歩くといわれています。まだ経験の浅い初心者の方は、ボールがあちこちに行くのでその量はさらに増え、1万8千歩は優に歩くでしょう。

 コースレッスンでは、私はお客様を指導しながら回りますので、カートに乗る機会は通常のプレーと比べてかなり少なくなります。それがかえって、自分の体に良い影響を与えているように思います。

歩いてラウンドすればスコアも上がる

 前回、ゴルフの上達には、体のバランスを整える「コンディショニング」がとても大切であることをお伝えしました。コンディショニングで骨格のゆがみを整え、正しい姿勢を獲得することは、ゴルフの上達のみならず、健康の維持・増進には不可欠です。

 「ゴルフフィットネス」は、スタート前の限られた時間の中で、より効果的にセルフコンディショニングが行える運動です。そのプログラムの1つに「パワーバランス運動」があります。パワーバランス運動は、ゴムホースのようなツールを左右均等にリズミカルに振る運動です。この運動によって、体の軸を中心に左右均等に適度にねじり、体のバランスを整えていくのです。

 この体軸を中心にした、左右均等な捻転運動の代表格が歩行運動なのです。歩行運動には、左右の腕と脚を交互に、前後に動かすことで体のねじれが生まれるからです。パワーバランス運動ほどの運動量はありませんが、歩行運動つまりウオーキングは、セルフコンディショニングに最も手軽で効果的な運動というわけです。

 さらに、歩いてラウンドすればスコアも良くなります。なぜなら、歩くことでプレーのリズムをつくることもできますし、歩く間に次のショットに必要な情報を収集したり、戦略を練ったりすることもできるからです。

 最後に、セルフコンディショニングに通じるウオーキングのコツをお伝えしましょう。

 ポイントは、①正しい姿勢で歩く②腕の振りは大きく③膝はつっぱらせず軽く曲げる④歩きやすい歩幅で⑤体軸を左右にブラさずバランス良くです。

 特に①の正しい姿勢は大切です。頭のてっぺんからクレーンで引っ張り上げられているようなイメージで体軸を意識し、背筋を伸ばして歩きましょう。

 このように、歩くことは健康の維持・増進にとても役に立ちます。そしてゴルフは、たくさん歩くチャンスに恵まれています。せっかくお金を払ってゴルフに行くのですから、健康のためにもできるだけカートには乗らず、自分の脚で歩きましょう。スコアが良くなり、体調も良くなり、次の日の仕事も絶好調で業績アップ。一石三鳥ですね。

執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

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