ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
全米プロゴルフ選手権を驚異の20アンダーで制したデイ、惜しくも優勝を逃したスピース、健闘した松山。この実力派ゴルファー3人の勝敗を分けたものとは何か。それは試合へのアプローチの仕方に表れているのではないでしょうか?
今年最後のメジャー大会、全米プロゴルフ選手権はジェイソン・デイ(オーストラリア・27歳)がメジャー記録となる20アンダーで優勝しました。今期これまで、マスターズ、全米オープンを制し、全英オープンも一打差の4位タイとなったジョーダン・スピース(米国・22歳)にも注目が集まりましたが、惜しくも2位に終わっています。それでも、スピースは全米プロが終了した時点で世界ランキング1位。文字通り世界最強選手の一人といえるでしょう。全米プロ最終日最終組でのデイとの一騎打ちは、敗れたとはいえ、非常に見応えがありました。
日本人選手の中では、松山英樹(23歳)が世界の舞台で孤軍奮闘中です。松山は、メジャー大会前のパワーランキング(優勝者予想)でも常に上位にランクインしており、優勝候補の一角として世界のゴルフファンに認知されている存在です。今年のメジャーでは、初戦のマスターズから優勝を意識した発言が目立ったように、どの大会でも初日から優勝を狙い、鬼気迫る気迫でプレーしていたのが印象的です。全英オープンの2日目には、猛チャージで海外メディアが一気に注目する一幕もありました。メジャー最終戦の全米プロにも期待がかかっていましたが、37位タイという成績は、本人としても不本意な結果に終わったといえそうです。
全米プロでは、松山とスピースとの差を感じさせる一面もありました。スピースは、難しいコンディションだった初日と2日目は無難にまとめ、勝負のカギを握る3日目には「65」をマークして2位に浮上。試合後スピースは、「今までで一番納得できる負け方だった。17アンダーで優勝できないなんて想像していなかった」とコメント。そこには、4日間トータルで優勝を狙っていた、スピースの緻密な戦略がうかがえます。
一方、松山は初日から優勝を意識し、常にスコアを伸ばそうとしていました。典型的なのが、3日目の15番ホールです。通算8アンダーまでスコアを伸ばし、上がりホールでもう2~3打縮められれば、最終日に優勝争いも可能という好位置につけてからのプレーです。2打目をバンカーに入れた際、「ここでボギーにすると(優勝が)厳しいと思った」というショットを大きくミスしてしまい、結果、致命的なトリプルボギー。最終日では、優勝が難しくなったことを引きずってかスコアを伸ばせずに終わりました。
4日間が終わって、トータルのスコアを考えているスピースと、そのときそのときで常にトップのスコアを意識しながらプレーしていた松山選手とでは、おのずと心の余裕も違っていたのではないでしょうか。ここでは、目標達成のプロセスにおいて、局地的な結果にとらわれ過ぎると、かえってプレッシャーがかかり過ぎてしまうという教訓があるように思えます。
これを解決する方法は、優勝したデイが教えてくれるのではないでしょうか。デイは過去の出場メジャー大会21試合中、10度ベストテン入りしています。これまで「なぜメジャーに勝てないのか?」という多くの声がありましたが、優勝だけを狙うのではなく、少しでも上位に入ろうとするプロセスが、メジャーに勝つための技術や経験を蓄え、結果的に今回の優勝につながったのです。
松山、デイ、スピースの3選手からは、次のような教訓を得ることができます。
・目標達成のためには緻密なプロセスを設定するが、過程の結果にとらわれすぎない
・目標達成が難しくなっても最大限努力することが、次の目標に繋がる
ビジネスも同様に、過程の結果にとらわれすぎて、焦りや不安を感じてしまうことはよくあると思います。大きな目標を意識しながら、それぞれの過程で努力すること、失敗を受け入れて改善していくこと、その積み重ねが最終的な目標達成に繋がっていくのではないでしょうか?
ゴルフは体力よりも主として「耳と耳との間のもの(=つまり頭)」によってプレーされるゲームである、とは球聖ボビー・ジョーンズの格言。コーナー名はこの格言に由来しています。
執筆=児山 和弘(medialight代表)
ゴルフ専門誌を中心に、IT関係、福祉関係など幅広く執筆。
【T】
ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」