ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゴルフではバランスがとても大切であると、今でも多くのゴルファーを魅了するタイガーウッズは語っています。ところが、ほとんどの現代人は生活の利便性やストレスによって、姿勢つまりボディーバランスが崩れがちです。この姿勢のゆがみが、ゴルフを難しくしている一因ともいえるでしょう。
18ホール回っても疲れ知らずで、翌日の仕事をも絶好調にする“カラダにやさしい”ゴルフの楽しみ方を伝える第3弾。今回は、ゴルフに必要なコンディショニング、準備運動の重要性についてお伝えします。
私が主管するゴルフスクールに入会されて日がまだ浅いお客様から、こんな質問を受けました。「おかげさまで、レッスンではうまく打てるようになりました。でも1人で練習に行くと、思うように打てないんです。どうしてですか?」
プレッシャーのかかるコースならいざ知らず、プレッシャーのない練習場にもかかわらずうまく打てないというのです。そこで私は尋ねました。
「練習する前に、いつもの運動はやっていますか」。すると、「大概やっていないか、やったとしてもいつもほどはきちんとはやっていません」という予想通りの返事が返ってきました。
私が尋ねた“いつもの運動”とは、ゴルフスクールでレッスンの前に必ず行っていただいている「ゴルフフィットネス」という運動プログラムのことです。ゴルフフィットネスは、最新の身体運動科学に基づく運動プログラムがベースとなっています。ボディーバランスを整え、動きにくい体を動きやすくし、本来人間が持っている能力を最大限に引き出すことに主眼を置いたオリジナルプログラムです。
「コンディショニング」という言葉がありますが、スポーツ分野では、体の調子を整えることを指します。自主的な運動によるセルフコンディショニングは、ヨガやピラティスをイメージしていただくと分かりやすいかも知れません。ゴルフフィットネスも、セルフコンディショニングの一例といえます。ラウンド前の限られた時間で、場所を問わず手軽にできるセルフコンディショニングの方法として考案されたのがゴルフフィットネスなのです。
このコンディショニングをしないで動きにくい体のまま練習をしても、その人が持っている能力を引き出すことができません。ゆえに、満足のいくショットが打てないのは当然なのです。前述の入会間もないお客様は、ゴルフスイングにおけるコンディショニングの重要性を、まだ十分にご理解されていなかったわけです。
米国サンディエゴ大学で姿勢科学を研究するギモンド博士は、これまで測定してきた約5万人の中で、タイガーウッズがとても理想に近い姿勢をしていたといいます。そしてタイガーウッズは、このギモンド博士との対談の中でこう述べています。「ゴルフではバランスが全てなのだ」(2007年10月25日、モントリオール・ジャーナルスポーツ紙より)。
姿勢のゆがみは、肩こりや腰痛、内臓機能の低下など、あらゆる体の不調につながります。姿勢のゆがみを解消すれば、人は本来持っている能力を存分に発揮することができます。ですから、ゴルフのパフォーマンスを高めるためには、ボディーバランスを整えるコンディショニング、とりわけプレー前の準備運動が重要だとご理解いただけるでしょう。
ゴルフスイングは全身運動です。人間の体は、206本の骨と600を超える筋群で構成されていて、ゴルフスイングではその全てが働きます。これは、タイガーウッズのようなトッププロに限らず、現代人なら等しく同じです。
生活の利便性や交通機関の発達で、慢性的な運動不足に陥っている現代人は、全身の筋肉のうち約15%しか実際に機能していないといわれています。残りの85%の筋肉は休眠状態というわけです。このような状態では、重たいクラブをうまく振り回すどころか、ケガのリスクもグンと高まります。楽しいはずのゴルフで、ケガをしてしまっては元も子もありません。安全にゴルフを楽しむためにも準備運動は必須です。たとえゴルフフィットネスを知らなくても、スタート前の準備運動は入念に行ってください。
ボディーバランスが求められるゴルフで、コンディショニングは必須です。しかしアマチュアゴルファーが、トレーナーに施術してもらうのはなかなか難しいでしょう。ゴルフ前の限られた時間でヨガやピラティスも現実的ではありません。ゴルフフィットネスが最適なのですが、本コラムで詳しく説明することはできません。
ある程度、代用できる準備運動を探した結果、見つけたのは誰もが知っているラジオ体操です。ゴルフフィットネスは、バリスティックストレッチという、ウオーミングアップに効果的だといわれているストレッチ法を取り入れています。ラジオ体操はバリスティックストレッチの模範的な運動なのです。
ラジオ体操は、1928(昭和3)年、国民の健康増進のために東京中央放送局が放送を開始した健康体操です。翌年には全国放送になりました。米国でストレッチが普及したのが1970年代の後半のことですから、その50年も前に日本で効果的なセルフコンディショニングの方法が紹介されたのは驚きです。
ラジオ体操というと、子どもの頃、あまり効果を感じることなく、それほど熱心にやっていなかった方も多いのではないでしょうか。きちんとやれば非常に効果が上がる運動です。やり方については、「NHKテレビ・ラジオ体操」に図解が、「ラジオ体操・みんなの体操」に動画があります。それぞれの運動の意味をきちんと考えて、しっかり体を動かしてください。
前々回はゴルフ前夜の過ごし方、特に良質な睡眠について、前回はゴルフ当日の朝食について紹介しました。そして今回の準備運動。これらはゴルフに限ったことではなく、日々体調の維持管理が求められるビジネスパーソンは、常に実践していただきたい内容です。まだお読みでない方は、ぜひお読みいただき、日常に生かしてください。
執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」