ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
カタカナや略語が多くて、ちょっと聞いただけではなかなか理解できないIT用語。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、スマホユーザーなら通知をきっと見たことがある「アップデート」だ。
「社長の会社スマホにアップデートの通知が表示されていましたが、私がやりましょうか」(総務兼IT担当者)
「アップ?あのリンゴマークのスマホがどうしたって。デートとどんな関係があるんだ」(社長)
「リンゴとも、デートとも関係ありません。アップデートは更新のことです。放っておくとスマホのセキュリティに影響することもあるんです」
「セキュリティ?取引先とのゴルフの約束がライバルに見られたら大変じゃ。すぐにアップデートとやらをやってくれ」
アップデートは「更新」のこと。パソコンやスマホでアップデートというと、基本ソフト(OS)をダウンロードして最新の状態にする作業を言います。スマホの場合、OSの開発元(iPhoneはアップル、Androidはグーグル)から、セキュリティ強化や新機能の追加といったアップデートの通知が送られてきます。ただ、自社開発の業務アプリをスマホに入れている場合、アップデートで不具合が起こる可能性もあり、事前の確認が必要です。
Q アップデートが必要な理由は何でしょうか
スマホに限ったことではありませんが、OSやアプリの開発時に見つからなかった不具合(バグ)やセキュリティのぜい弱性がリリース後に見つかるのは珍しくありません。また、ハッカーの攻撃手法も進化しており、新たなセキュリティ強化策やアプリの新機能を提供して対抗します。スマホにそれらを適用するために、開発元が定期的に最新OSやソフトウエアのアップデートを促す通知を出しています。
Q アップデートの注意点はありますか
セキュリティ強化のためのアップデートを放っておくとリスクが高くなる可能性があります。私用スマホにクレジットカード番号などの個人情報を登録して買い物をする機会も増えており、不正アクセスなどを防ぐためにもアップデートしたほうがいいでしょう。ただ、会社スマホに自社開発の業務アプリなどをインストールしている場合、最新OSにするとアプリの動作が不安定になるなど不具合を起こす可能性もあります。事前にテストして動作を確かめてからアップデートしましょう。
Q アップデート時に必要なことは何ですか
OSのアップデートでは大量データをスマホにダウンロードします。再設定に時間がかかる場合があり、モバイル回線では思いがけない通信料が発生することもあります。そこで、OSの開発元ではアップデート時のWi-Fi利用とスマホの充電を推奨しています。オフィスで会社スマホを一斉にアップデートするには、安定したWi-Fi環境が必要です。アクセスポイントの設置場所や台数など、Wi-Fiやネットワークに熟知した事業者に相談するといいでしょう。
「社長、アップデートの大切さを分かっていただけましたか」(総務兼IT担当者)
「それは分かったが、スマホの設定画面を開いたり、Wi-Fiの設定をしたり、何だか面倒そうだな」(社長)
「ですから、社長に代わって私がやります。OSのアップデートでベースアップのほうもぜひお願いします」
「君はいつも、給料のことばかりだな。君の考え方もアップデートしたほうがいいんじゃないか」
執筆=山崎 俊明
【MT】
脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」