ビジネスWi-Fiで会社改造(第35回) ビジネスWi-Fiでバスの旅を快適に

Wi-Fi スキルアップ

公開日:2024.06.10

 長距離を走行する高速バスや観光バスでビジネスWi-Fiの導入が進んでいる。海外から訪れた観光客は、空港に到着してから都心部まで移動する車内でメールをチェックしたり、情報を収集したりできるので、インバウンド観光客からも好評だ。ただし、長距離バスならではのチェックポイントがある。快適さを提供するビジネスWi-Fiの導入について考えてみたい。

観光客から高い評価を受ける長距離バスのWi-Fi

 路線バスでWi-Fiが導入されているケースはまだ少ないが、長距離を走る高速バスや観光バスでは無料でWi-Fiが使えるケースが増えている。長時間バスに乗る場合、その時間を検索やSNSの更新に利用できるので、利用者には好評だ。最近ではシールを貼って無料Wi-Fiが使えるとアピールするバスもある。

 特に海外から来訪する観光客は、国際空港から入国して目的地までバスを利用する人が少なくない。その間、無料Wi-Fiが使えれば間違いなく便利だ。移動時間を利用して情報収集、予約確認、メールチェックなどができれば、旅行中の限られた時間を有効に活用できる。

 便利な環境を提供する側には、長距離バスという移動手段だからこそ準備すべきものがある。まずはWi-Fiの接続方法、接続が切れる可能性や夜間の使用法といった注意事項を伝える外国語対応のパンフレットを用意したい。その中で、無料で使えるWi-Fiの料金はバスの運賃には含まれていないと案内しておくこともクレームを避ける意味で重要だ。本来のバス料金以外のサービスとして提供しているのだと理解してもらえば、つながりにくかったり、途切れがちだったりしても、クレームを減らせるだろう。

満足度の高いサービスを提供できる

 無料のWi-Fiであっても、提供するからにはそれなりの品質を担保したい。そのためにはWi-Fi6に対応したビジネスWi-Fiを導入するべきだろう。ビジネスWi-Fiは通信帯域を分割して管理しており、多台数の同時接続が可能だ。乗客にとってメリットは大きい。

 また、高速で大容量のデータを送受信できる点も乗客にはうれしいサービスだろう。乗車中に楽しめるコンテンツの幅が広がったり、旅行中に撮った写真から気に入ったものを選び、SNSにアップしたりする作業を車内で行える。

 ビジネスWi-Fiを導入するメリットが何よりも大きいのは通信の安定性だ。バス内での提供は移動を前提としており、通信が途切れる可能性がある。それだけに車内の安定した通信環境は大切な要素といえる。ビジネスWi-Fiであれば、アクセスポイントからデバイスの間は通信が安定している。

 このように、Wi-Fiの提供者は利用者の期待に応えられるよう考慮しておく必要がある。無料の付帯サービスだからといって、使用中に不満を抱かせるようなサービスを提供するのは本末転倒だ。利用者の満足度を高めるためにはビジネスWi-Fiの導入をお勧めする。

 バスの運行会社は、Wi-Fiに接続されたスマートフォンやタブレット端末に広告を表示するように設定しておけば、自社関連商品の売り上げ増大や広告収益につながる。こうした選択肢がある点もビジネスWi-Fiのメリットの1つだろう。

 インバウンド観光客が急増している今は観光業にとっては大きなチャンスだ。高速バスや観光バスといった長距離バスを運営する事業者にとって、ビジネスWi-Fiは集客の大きな武器になる。この機会に導入を検討してみてはどうだろうか。

執筆=高橋 秀典

【TP】

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